エコキュートの電気代を安く抑えるには、「ヒートポンプ」の仕組みを知って正しく使うのが一番の近道と言えます。
ヒートポンプは空気の熱を集めてお湯を沸かす「エコキュートの心臓部」だからです。
たとえば、ヒートポンプの周りに物を置いて風の通り道をふさいでしまうと、お湯を沸かすために余分な電気がかかって損をしてしまいます。
毎月の出費を減らして機械を長持ちさせるために、まずはヒートポンプの働きと正しい使い方を順番に確認していきましょう。ここからは、初心者の方にもわかりやすいように、詳しい仕組みと節約のコツを解説していきます。
エコキュートのヒートポンプとは?エアコンの室外機との違い
エコキュートのヒートポンプとは、空気の熱を集めてお湯を沸かすための「お湯づくり専用の機械」を指します。
エアコンの室外機と見た目はそっくりですが、中身の役割がまったく違うからです。
エアコンの室外機は部屋の空気を温めたり冷やしたりするために働きます。一方でエコキュートのヒートポンプは、集めた熱を使って「水をお湯に変える」ことだけを専門に行っています。
見た目が似ているため同じものと思われがちですが、それぞれまったく別の働きをしているわけです。
空気の熱を集めてお湯を作る賢い仕組み
ヒートポンプは、目に見えない「外の空気の熱」をスポンジのように吸収してお湯を作る賢い仕組みを持っています。
電気の力だけでゼロからお湯を沸かすよりも、外の熱を利用したほうが少ないエネルギーで済むからです。
仕組みを自転車の空気入れに例えてみましょう。空気をギュッと押し込むと、筒の先が熱くなります。ヒートポンプの中にも熱を運ぶためのガスが入っており、外の熱を取り込んでからギュッと圧縮することで、さらに高い熱を生み出します。
その熱を水に伝えて、温かいお湯に変えているわけです。
ヒートポンプとタンクはセットで働いている
エコキュートは、ヒートポンプだけでなく「お湯を貯める大きなタンク」とセットで働く仕組みになっています。
ヒートポンプはお湯を作るだけの機械であり、作ったお湯を保温して貯めておく機能はないからです。
2つの機械の役割を、わかりやすく表にまとめました。
| 機械の名前 | 見た目の特徴 | エコキュートの中での役割 |
|---|---|---|
| ヒートポンプ | エアコンの室外機のような四角い箱 | 外の空気から熱を集めて、水をお湯に変える |
| タンク | 冷蔵庫のように背が高い大きな箱 | 作られたお湯を冷めないように貯めておく |
このように、ヒートポンプが一生懸命にお湯を作り、それをタンクがしっかり預かるという連携プレーで、毎日のお風呂が快適に使えるようになっています。
ヒートポンプのおかげで毎月の電気代が安くなる理由
エコキュートを使うと毎月のお金が安くなるのは、ヒートポンプの優れた仕組みと、夜の電気料金の安さを掛け合わせているからと言えます。
少ない電気でたっぷりのお湯を作れるうえに、一番安い時間帯を選んで動くようになっているからです。
昔の電気温水器と比べると、かかるお金が3分の一ほどで済むケースもよく見られます。ここからは、安くなる2つの理由を詳しく見ていきましょう。
少ない電気でたくさんのお湯を沸かせるから
ヒートポンプの最大の魅力は、使った電気の量に対して、3倍以上の熱を生み出せることです。
空気の熱を上手に再利用しているため、電気の力に頼りきる必要がないからです。
たとえば、1の電気の力に、外の空気の熱を2つ足して、合計3の熱を作るようなイメージになります。家庭用の電気ポットでお湯を沸かすときは電気の力だけを使いますが、ヒートポンプは空気という「無料のエネルギー」をたっぷり混ぜてお湯を作ります。
だからこそ、ほかの給湯器よりも少ない電気代でお湯を用意できるわけです。
夜の安い電気の時間を上手に使うから
もうひとつの理由は、電気代が安くなる「夜中の時間帯」だけを狙ってヒートポンプが動く点にあります。
電力会社のプランは、みんなが寝静まって電気を使わない深夜の料金を安く設定している場合が多いからです。
エコキュートは、夜の11時から朝の7時までの安い時間帯にヒートポンプを動かして、一日分のお湯をまとめて作ります。昼間の高い電気でお湯を沸かすのを賢く避けるため、毎月の料金がぐんと下がる仕組みです。
この賢い働きがあるからこそ、家計に優しい設備として人気を集めています。
電気代をもっと節約!ヒートポンプ周りの正しい使い方
ヒートポンプの周りをすっきり整理整頓するだけで、毎月の電気代の無駄をしっかり省けます。
機械の周りに物があると、空気の通り道が塞がれてしまい、熱を集めるために余分なパワーを使ってしまうからです。
機械の目の前に段ボールや植木鉢を置いているご家庭はよく見られますが、これは電気代を高くしてしまうもったいない使い方と言えます。
無駄なお金を払わないために、今日からすぐに試せる正しい使い方を2つ紹介します。
周りに物を置かずに風の通り道を広くする
ヒートポンプの正面や横には、何も置かずに風通しを良くしておくのが一番の節約のコツです。
ヒートポンプは外の空気をたくさん吸い込んで熱を取り出すため、空気がスムーズに流れないと効率が悪くなるからです。
冬の寒い日に、分厚いマフラーで口と鼻を塞がれると息苦しくなるのと同じ状態になります。空気が吸えないと機械が苦しくなってしまい、お湯を作るために余分な電気を消費してしまいます。
そのため、機械の前と後ろには、最低でも30センチ以上の広いすき間を空けておくのがおすすめです。
もし自転車や掃除の道具などを立てかけているなら、別の場所へ移動させて、空気がスースーと通る道を作ってあげましょう。
直射日光や雪を防いで機械の負担を減らす
夏の暑い日差しや冬の雪からヒートポンプを守る工夫も、機械の負担を減らして電気代を安くするポイントになります。
夏の強い日差しで機械そのものが熱くなりすぎたり、冬に雪が積もって吸い込み口が塞がれたりすると、お湯を作るパワーが落ちてしまうからです。
季節に合わせて、次のような簡単な対策を取り入れると効果が出ます。
- 夏の場合:日陰を作るために「すだれ」を少し離れた場所に立てかける(風の通り道は塞がないように注意)
- 冬の場合:雪がよく降る地域なら、機械の上に雪よけの小さな屋根(防雪フード)を取り付ける
季節ごとの少しの気遣いが、機械の動きをスムーズにして、結果的に毎月の支払いを安く抑えることにつながります。
故障かな?ヒートポンプから出る音や水の見分け方
ヒートポンプから音や水が出ていても、すぐに故障だと焦って業者を呼ぶ必要はありません。
お湯を沸かす仕組みのなかで、どうしても発生する自然な反応が含まれているからです。
もちろん本当に壊れているケースもあるため、安心できるサインと注意すべきサインをわかりやすく表にまとめました。
| 気になる症状 | 正常なサイン(問題なし) | 故障を疑うサイン(要確認) |
|---|---|---|
| 音の種類 | ブーンという低い機械の音 | カラカラ、キュルキュルと響く高い音 |
| 音が鳴る時間 | 夜中から朝方の沸かしている間 | 昼間などお湯を作っていない時間 |
| 水の出方 | 機械の底からポタポタ落ちる | 勢いよく水が噴き出している |
この表と実際の状況を見比べて、まずは落ち着いて機械の様子を観察してみてください。
お湯を沸かすときの低い音は正常な証拠
夜中にヒートポンプから「ブーン」という低い音が聞こえるのは、しっかりとお湯を作っている正常な証拠です。
空気から熱を集めて圧縮するときに、機械の中の部品が一生懸命に動く音がどうしても出てしまうからです。
身近なもので例えると、冷蔵庫の裏側から聞こえる「ブーン」という低い音とよく似ています。冷蔵庫も冷気を保つためにモーターが動いているのと同じように、ヒートポンプも熱を作るために動いているわけです。
お湯を沸かしている夜中の時間帯だけ鳴っていて、朝になると静かになるなら、安心してそのまま放っておいて構いません。
機械の下から水が出るのもよくある現象
ヒートポンプの下の地面が水で濡れていても、それはお湯を沸かすときによくある自然な現象と言えます。
外の冷たい空気を吸い込んだときに、空気中の水分が水滴に変わって下に落ちるからです。
夏の暑い日に、氷を入れた冷たいジュースのコップを机に置くと、コップの周りにたくさんの水滴がついて机が濡れるのと同じ理屈になります。とくに冬の寒い時期は、温度の差が大きくなるため、ポタポタと水が流れやすくなります。
水が勢いよく吹き出しておらず、少しずつ濡れている程度なら、機械がきちんと働いているサインと受け取って大丈夫です。
ヒートポンプの寿命はどれくらい?買い替えを考えるサイン
ヒートポンプの寿命は、だいたい10年から15年くらいが目安と言われています。
毎日休まずに外の空気を吸い込んで、高い圧力をかけてお湯を作り続けているため、中の部品が少しずつすり減っていくからです。
とくに「熱を作るための部品」は、機械のなかでも一番負担がかかる場所なので、10年を過ぎると急に動かなくなるケースがよくあります。
そのため、10年を過ぎたら「いつ壊れてもおかしくない」と考えて、新しい機械への買い替えを少しずつ検討し始めるのが賢い方法です。
10年を過ぎたら不具合のサインを見逃さない
買ってから10年以上経っている場合、機械から出る「いつもと違うサイン」を見逃さないようにするのが長持ちさせるコツです。
人間が風邪をひいたときに咳や熱が出るのと同じように、機械も壊れる前に何かしらのサインを出すからです。
具体的には、次のような症状が出たら寿命が近づいている証拠と言えます。
| 気になる症状 | どんな状態か | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| リモコンのエラー | 見慣れない数字やアルファベットが点滅する | 取扱説明書を見て意味を調べる |
| お湯の温度 | 設定した温度よりもぬるいお湯しか出ない | お湯を作るパワーが落ちているので業者を呼ぶ |
| 異常な音 | カラカラ、キュルキュルと響く高い音が鳴る | 中の部品が削れている可能性が高いため電源を切る |
このようなサインが出たまま無理をして使い続けると、ある日突然お湯がまったく出なくなってしまいます。
冬の寒い日にお風呂に入れないという最悪の事態を防ぐためにも、おかしいなと感じたら早めにプロの業者に見てもらいましょう。
修理と買い替えで迷ったときの判断基準
機械が壊れたとき、「修理して使い続けるか」「新しいものに買い替えるか」の判断は、使っている年数で決めるのが一番損をしない方法です。
古い機械を高いお金を出して修理しても、すぐに別の部品が壊れてしまい、結果的にもっとお金がかかる場合があるからです。
買ってから3年や5年しか経っていないなら、メーカーの保証期間内に入っていて無料で直せる場合があるため、迷わず修理を選びます。エコキュートの保証は、ヒートポンプが3年、タンクが5年など、部品によって期間が分かれているのが普通です。
一方で、買ってから10年以上経っている場合は、思い切って機械ごと新しく買い替えるのがおすすめです。
新しい機械は昔のものよりもさらに少ない電気でお湯を沸かせるように進化しているため、毎月の電気代がさらに安くなるという嬉しいメリットもあります。
まとめ:エコキュートのヒートポンプの仕組みを知って電気代を節約しよう
毎月の電気代をしっかり安く抑えるには、エコキュートの「ヒートポンプ」の仕組みを知って、正しく使ってあげるのが一番確実な方法です。
空気の熱を集めてお湯を作るという賢い働きを邪魔しないように、機械の周りには段ボールや植木鉢を置かずに、風の通り道を広く開けておく工夫が欠かせません。もし機械からブーンという低い音や水が出ていても、それはお湯を一生懸命に作っている証拠なので、焦らずに見守ってあげてください。
ただし、買ってから10年以上経っていて、変な音がしたりお湯がぬるかったりする場合は、機械が寿命を迎えているサインです。そのときは無理に修理せず、新しいエコキュートへの買い替えを検討するのが賢い選択になります。
まずは今日、家の外に出てヒートポンプの周りに物が置かれていないかを確認し、無駄な電気代を減らす簡単な節約からスタートしてみましょう。








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