2024年3月より受け付け開始予定の先進的窓リノベ2024事業は、窓やガラス、扉などの開口部の断熱改修時に補助金を受け取れる制度です。一戸あたり最大200万円の補助金制度で、条件が比較的緩いため、申し込みしやすい補助金制度になります。
そこで今回は、先進的窓リノベ2024事業について解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
先進的窓リノベ2024事業とは?
先進的窓リノベ2024事業とは、環境省が開催している補助金制度で、既存住宅の窓の断熱性能を高めるリフォームを促進し、省エネルギーとCO2排出削減に貢献することを目的としています。
そのため、断熱窓への改修にかかる費用の一部が補助され、一戸あたりの補助上限額は200万円です。
先進的窓リノベ2024事業の補助対象者
次の2つの条件を満たすと、先進的窓リノベ2024事業の補助対象者となります。
- 窓リノベ事業者と工事請負契約を結んで、窓のリフォーム工事を行うこと
- 窓のリフォーム工事をする住宅の所有者や住んでいる人物であること
「窓リノベ事業者」とは、本事業事務局に登録された施工業者のことで、補助対象者に代わって交付申請の手続きや交付金の申し込みなどを行います。
そのため、本事業において補助対象者が行う手続きはほとんどありません。
また、本事業では住んでいる地域が条件に含まれていないため、全国が対象となっていることも大きな特徴です。
先進的窓リノベ2024事業の補助対象住宅
先進的窓リノベ2024事業では、人が住んでおり、建築から1年が経過した既存住宅が補助対象住宅となります。
なお、戸建住宅と集合住宅の両方が補助の対象となりますが、集合住宅は地上3階以下の場合は低層集合住宅、地上4階以上の場合は中高層集合住宅として扱われます。
先進的窓リノベ2024事業の補助対象工事
次の表は、先進的窓リノベ2024事業の補助対象工事をまとめたものです。
概要 | |
---|---|
ガラス交換 | 既存の窓ガラスを断熱性の高いガラスに交換 |
内窓設置 | 既存の窓に追加で断熱窓を設置 |
外窓交換 | 既存の窓を全体的に断熱性の高い窓に交換 カバー工法とはつり工法の2種類がある |
ドア交換 | 玄関や勝手口などのドアを断熱性能が高いものに交換 カバー工法とはつり工法の2種類がある |
本事業では、上記の工事の種類で補助額が5万円以上で、次の条件に当てはまらないリフォームに対して補助金が支給されます。
- 外気に面していない窓やガラス、ドアの交換
- ドアの一部のガラス交換
- ドア交換のみ
- 住宅以外の建物でのリフォームなど
なお、複数の工事を同時に行って申請することは可能ですが、補助金は合算されます。
先進的窓リノベ2024事業の補助金額
先進的窓リノベ2024事業の補助金額は、対象工事に応じた補助額の合計が交付申請額となります。補助金額の決め方は以下のとおりです。
補助金額の決め方 | |
---|---|
ガラス交換 | 対象製品の性能やサイズ、サッシの組み合わせによって決まる |
内窓設置 | 対象製品の性能やサイズによって決まる |
外窓交換 | 建物の建て方と対象製品の性能、サイズによって決まる |
ドア交換 | 建物の建て方と対象製品の性能、サイズによって決まる |
ガラス交換と内窓設置の場合は、基本的に交換する窓の性能が高く、ガラスのサイズが大きいほど補助金額は高くなります。戸建住宅と集合住宅で補助金額に違いはありません。
一方、外窓交換とドア交換は対象製品の性能とサイズ以外に、戸建住宅・低層集合住宅と中高層集合住宅で補助金額に違いがあります。
戸建住宅・低層集合住宅よりも、中高層集合住宅のほうが補助金額は高くなる傾向があるため、条件に当てはまる方はチェックしてみましょう。
本事業の補助金額の上限は一戸あたり200万円です。建物の建て方によって上限額に違いはありません。
なお、同じ住宅で複数回に分けてリフォーム工事を行う場合、補助上限額200万円の範囲内なら繰り返し申請ができます。
補助金の対象となる期間は、2023年11月2日から2024年12月31日までに着手された工事になります。
そのため、2024年5月と7月、9月、11月の4回に分けてリフォームを行って、50万円ずつ、合計200万円の補助金を受け取るといったことは可能です。
先進的窓リノベ2024事業の注意点
先進的窓リノベ2024事業の注意点は以下のとおりです。
- 窓リノベ事業者から対象となる製品を購入してリフォームする
- 予算が尽きたら終了する
- ほかの補助金との併用は注意する
- 補助を受けた住宅は10年間処分できない
- 事務局が行う調査に協力する
上記の注意点を順番に解説します。
窓リノベ事業者から対象となる製品を購入してリフォームする
先進的窓リノベ2024事業は、原則として窓リノベ事業者から対象となる製品を購入してリフォームした場合に補助金が貰えます。
そのため、懇意にしているリフォーム業者からガラスや窓、扉を購入してリフォームしても、条件を満たしていない場合は補助金が貰えません。
本事業を利用したいと考えている方は公式サイトで窓リノベ事業者を検索します。
次に、窓リノベ事業者で扱っている製品のなかで、本事業の対象となるガラスや窓、扉などを選びましょう。
次の表は、本事業の対象となる製品の概要をまとめたものです。
対象となる製品 | |
---|---|
ガラス交換 | 汎用ガラス リフォーム専用ガラス 二重窓リフォーム品 |
内窓設置 | 既存窓の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置するもの |
外窓交換 | 一定以上のサイズのもの |
ドア交換 | 一定以上のサイズで、一定以上の性能を有しているもの |
対象となる製品が分からない場合は、窓リノベ事業者に相談してみましょう。
予算が尽きたら終了する
基本的に、補助金制度は予算が尽きたら終了します。
先進的窓リノベ2024事業は2024年12月31日までの工事を対象としていますが、予算が尽きた時点で終了するため、申し込みたい方は早めに工事請負契約を結びましょう。
ほかの補助金との併用は注意する
先進的窓リノベ2024事業以外にも、次のような補助金制度があります。
概要 | |
---|---|
子育てエコホーム | 条件を満たす世帯に対して注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入、リフォーム時に補助金を支給する |
給湯省エネ | 省エネ性能の高い給湯器を設置する際に補助金を支給する |
賃貸集合給湯省エネ | 賃貸集合住宅に省エネ性能の高い給湯器を設置する場合に補助金を支給する |
上記のほかにも国や地方自治体が行っている補助金制度はあります。基本的に、補助金制度は条件に「併用不可」となっていなければ、併用することはできます。
しかし、本事業の場合は、「同じリフォームや製品」に対する補助はできません。
例えば、本事業で窓をリフォームした場合、同じ窓で子育てエコホーム支援事業や、国の他の補助金制度との併用はできないので注意しましょう。
なお、補助金の財源が国費の補助金制度との併用はできませんが、県や市区町村から予算を出している補助金制度との併用は可能です。補助金制度ごとにルールが違うため、窓口に問い合わせてみましょう。
補助を受けた住宅は10年間処分できない
先進的窓リノベ2024事業で窓やガラス、扉のリフォームを行ったら、10年間は事務局や国の承認なしで処分することはできません。
処分には住宅の売却以外に、譲渡、交換、貸付け、担保なども含まれます。そのため、本事業を利用する場合は、今後10年間は住む可能性が高い住宅で申し込みましょう。
事務局が行う調査に協力する
先進的窓リノベ2024事業で補助金の交付を受けたり、受けようとしたりすると、事務局が適正かどうか調査を行う場合があります。
原則、事務局が行う調査には協力する必要があります。仮に、調査を拒否すると補助金の交付申請の却下や取消、返還要求などの措置を受ける恐れがあるため、注意しましょう。
子育てエコホーム支援事業とは?
国土交通省が行っている子育てエコホーム支援事業は、注文住宅を新築する、新築分譲住宅を購入する、リフォームする場合に補助金を出す制度です。
対象となるリフォーム工事は次のような種類があります。
- 開口部の断熱改修
- 外壁・屋根・天井または床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
- 子育て対応改修
- 防災向上改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵保険等への加入
上記のなかで、「開口部の断熱改修」のリフォームが先進的窓リノベ2024事業と同様に、窓やガラス、扉などを対象としています。
上記でも説明しましたが、「同じリフォームや製品」での補助金制度の併用は難しい場合が多いです。
本事業の場合は、子育てエコホーム支援事業の「開口部の断熱改修」で補助金を受け取ると、同じ窓やガラス、扉のリフォームで本事業の補助金は受け取れません。
先進的窓リノベ2024事業と子育てエコホーム支援事業の補助金額を比較すると、先進的窓リノベ2024事業のほうが補助金額は良いです。
そのため、窓やガラスなどのリフォームは先進的窓リノベ2024事業で補助金を受け取り、別のリフォームでの補助金を子育てエコホーム支援事業で受け取るようにしましょう。
開口部の断熱改修にメリットはあるの?
窓やガラス、扉の断熱改修は次のようなメリットがあります。
- 住宅の省エネルギー化
- 健康面でのリスクを抑える
- 住宅の耐久性の向上
上記のメリットを順番に解説します。
住宅の省エネルギー化
窓やガラス、扉を断熱性能の高い製品に買い替えることで、住宅の省エネルギー化を期待できます。
熱の出入りは主に窓やガラス、扉などの開口部が多くの割合をしめており、断熱改修すると冬は室内の暖かい空気が外に逃げにくくなり、夏は外からの熱が室内に侵入しにくくなる住宅になります。
結果として、エアコンやヒーターなどの冷暖房効率が向上するため、光熱費の削減を行いたい方は開口部の断熱改修を検討してみましょう。
健康面でのリスクを抑える
開口部の断熱改修を行うと室内の温度差が減少するため、ヒートショックや熱中症などの温度が原因での健康リスクを抑えることが期待できます。
断熱改修だけで健康面でのリスクをゼロにすることはできませんが、万が一の事態が発生する可能性を少しでも減らしましょう。
住宅の耐久性の向上
窓やガラス、扉などの開口部付近は結露によって構造体や内装材が劣化している可能性がります。
断熱改修で窓やガラス、扉を交換すれば住宅の耐久性が向上し、長く住むことができるため、検討してみましょう。
まとめ
以上が、先進的窓リノベ2024事業の解説になります。先進的窓リノベ2024事業は2023年11月3日から2024年12月31日までに着手されるリフォーム工事を対象としており、一定以上の性能やサイズを有している窓やガラス、扉を設置する補助金が貰えます。
補助金の上限額は一戸あたり200万円で、窓やガラス、扉に対する補助金制度としては高額です。また、住んでいる地域や世帯属性などに制限がないため、どなたでも申し込むことができます。
同時期に開催している子育てエコホーム支援事業にも窓やガラス、扉を対象に補助金が支給されますが、補助金額を比較すると先進的窓リノベ2024事業のほうがおすすめです。
そのため、窓やガラス、扉のリフォームは先進的窓リノベ2024事業で行い、ほかのリフォームは子育てエコホーム支援事業を活用すると良いでしょう。
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