エコキュートから異音が発生するからといっても、実は必ずしもすぐに修理が必要だと限らないのはご存知でしょうか。実はエコキュートは正常時も動作音を発しているものなので、異音がするからといって故障だとは限らないのです。
ただし、注意が必要な異音や、さらには早急に対応が必要な危険信号となる異音まで、さまざまな音があるので気を付けなければなりません。
そこで今回は、問題のない音や注意が必要な異音、すぐに対処が必要な危険信号の異音について、具体的に解説していきます。
1.エコキュートの通常運転時に聞こえる、問題ない音とは?
エコキュートの異音のうち、通常運転時に聞こえる問題のない音には、次のようなものがあります。
1-1.ブーン
お湯が貯湯タンクに貯まっていない時に聞こえる「ブーン」という低音は、エコキュート運転中に作動するファンモーターによって、低周波の振動が起こるために聞こえる動作音です。
または、加熱用のヒーター音やポンプ・バルブの駆動音の場合もあります。
この「ブーン」という音は動作音なので、聞こえても問題ありません。
冷蔵庫の運動音とよく似ていて、図書館内の静けさと同程度の30デシベルから40デシベルなので、ほぼ気にならない程度の音だといえます。
ただし「ブーン」という音が大きい場合には、ファンモーター内部に小石や虫が入り込んでしまっていたり、ファンモーターが故障してしまっていたりするかもしれません。
また、「ブーン」という音とともに振動を伴う場合も、注意が必要です。
1-2.シャーシャー
エコキュートの冷媒である二酸化炭素が膨張弁を通る時、「シャーシャー」と聞こえることがあります。これは寒冷地で使用する際や、貯湯タンクから給湯する時に聞こえることのある音で、正常な動作音なので問題ありません。
急に大きな音になるなど、異常が見られなければ、心配する必要はないでしょう。
1-3.ウィーン
エコキュートが給湯し始めたり湯張りを開始したりした時、温度調節の時などに、「ウィーン」という音の聞こえる場合があります。これは混合弁の動作音であり、正常な動作音なので、とくに問題ありません。
1-4.ボコボコ
冬場に、「ポコポコ」という音の聞こえる場合があります。これは、エコキュートに備わっている凍結防止機能が作動している証拠です。配管内の水を凍結しないように循環させる動作音なので、正常に聞こえる音なのです。ただし、急にこの音が大きくなるなど異常を感じる場合には、問題のある可能性が高いでしょう。
1-5.クック
エコキュートの過熱時に、「クック」という音の聞こえることがあります。この音は、エコキュート内部の水が沸騰し、水中で気泡が発生している音です。加熱時にこのような音が聞こえるのは、問題ありません。
1-6.ジュー
水を加熱するのに使われるヒーターが作動して水が沸騰していく過程で、「ジュー」という音のする場合があります。これは加熱時の一般的な音です。
2.エコキュートの注意が必要な異音とは?
次のような異音がする場合、すぐにでも修理が必要というわけではないものの、注意して様子を見た方がいいでしょう。
2-1.カタカタ
エコキュートから「カタカタ」という音が聞こえる場合、配管カバーの振動でカタカタ音がしているのかもしれません。エコキュートを壁に固定したビスが緩んでいるとも考えられます。エコキュート周辺や、エコキュートを設置した近くの室内から「カタカタ」と聞こえる場合、「共振」の可能性もあります。ヒートポンプユニット作動によって発生する超低周波音が、地面や周辺のものを振動させ、振動同士が共振することで大きな音になってしまう「共振」という現象があるのです。
これらのどれも故障ではないものの、近所迷惑になってしまいかねないので、ビスを締めたり防振ゴムを設置したりといった対策が必要になります。
2-2.ガガガッ
夏場と比べてお湯を使う機会の多い冬場は、エコキュートの異音が気になりやすいものです。
通常の動作音では問題ないものの、エコキュートの内部から急に「ガガガッ」という固い異音が聞こえる場合には、凍結している恐れがあります。
冬場は気温が下がり、ヒートポンプの配管や吹き出し口などが、凍結してしまうことがあります。ヒートポンプユニット内に氷塊があり、エコキュートが作動した際の異音の原因になるのです。
凍結は故障につながってしまうので、冬場にこのような異音が聞こえたら、注意が必要です。
一度エコキュートの運転を停止して、ヒートポンプユニットの凍結箇所を確認してから、運転を再開させてみましょう。
2-3.ジー・ブー
「ジー」「ブー」という音が聞こえる場合、湯水が溜まっていない状態で循環ポンプの作動している可能性があります。
これは通常の動作音であり異常ではないものの、湯水の供給状態を確認して、必要に応じて調整した方がいいでしょう。
3.すぐに対処が必要!危険信号の異音とは?
次のような異音のある場合、すぐに使用を中止して、修理を依頼するのがおすすめです。
3-1.キーン
蛇口を締めた後に、「キーン」と金属音が聞こえる場合、「ウォーターハンマー現象」の起きている恐れがあります。これは、配管内の圧力が急激に変化することで異音の生じる現象です。配管に大きな負荷がかかっている状態のため、最悪の場合には配管が破裂してしまうかもしれません。
3-2. ピーピー
「ピーピー」という笛のような音が聞こえる場合には、送風機のファンの破損している恐れがあります。またはガスの量が正常でない時にも「ピーピー」という異音のする場合があります。どちらにしても、そのまま使い続けるのは危険です。
3-3.キュルキュル
金属の擦れるような「キュルキュル」という音が聞こえる場合は、エコキュートではなく加圧ポンプの不具合かもしれません。
加圧ポンプはエコキュートの近くにあり、エコキュートから浴槽に給湯するための部品です。
この加圧ポンプが故障していることによる異音ならエコキュートの故障ではないので、エコキュートを修理したり交換したりしてもおさまりません。水道業者に修理を依頼することになります。
3-4.ボンッ
爆発音のような「ボンッ」という音が聞こえた場合、エコキュートの不完全燃焼が考えられます。これは、エコキュートを使用した直後に聞こえます。この音がするままで使い続けると、一酸化炭素中毒や機器の故障、さらには大きな事故につながってしまう恐れがあるのです。
4.エコキュートから異音がしても落ち着いて!まずするべきこととは?
ここまでお話ししてきたように、異音がするからといって必ずしもすぐに修理が必要だとは限りません。異音に気づいたら、まずは落ち着いて次のようなことを行うようにしましょう。
4-1.使用を止めて安全確保
気になる異音がしたら、まずはエコキュートの使用を中止しましょう。
とくに「キーン」や「ボンッ」といった音は危険であり、焦げ臭いにおいや煙、異常な高温を伴っていたらガス漏れや不完全燃焼、電気系統のトラブルも考えられます。
そのまま使い続けると重大な事故につながりかねないので、ただちに停止しましょう。
4-2.異臭・異常を目視で確認
エコキュートの使用を止めたら、次のような点に注目しながらエコキュートの本体や周辺を目視で確認しましょう。
- 本体のひび割れ
- 水漏れ
- 異常な高温
- 焦げたようなにおい
- 配線やコードの焦げ付き
- 室外機からの煙
万が一上記の項目が確認された場合には、慌てて触らずに専門業者に任せるのが安全です。
4-3.エラーコードの有無を確認
エコキュートの本体パネルを見て、エラーコードが表示されていないか確認しましょう。
機種によってエラーコードの種類は異なるものの、数字とアルファベットの組み合わせで、エラーの内容を表示しています。エラーコードが何を示すものなのかは、取扱説明書で確認できます。
エラーコードが表示されている場合には、業者に修理を依頼する際にエラーコードを伝えれば、スムーズなので、メモしておくのがおすすめです。
4-4.異音のタイミングを把握する
エコキュートの異音が気になる時には、どのようなタイミングで異音が発生するのかも把握するようにしましょう。給湯時・お湯張り時なのか、加熱中か、夜間の沸き上げ中なのか、起動直後・終了時なのかは修理の際に大変重要な情報になります。
修理の際に業者に伝えれば、原因の特定がしやすくなるので、確認しておきましょう。
4-5.音の種類・大きさを記録しておく
異音の種類や大きさも、故障箇所や原因の重要な判断材料になります。「キュルキュル」なのか「ガガガッ」なのか「ボンッ」なのかなど、判断が難しくても、「金属が擦れるような音」「機械的な音」「爆発音」など音の性質だけでも修理の際に伝えられるといいでしょう。可能なら、スマホなどで録音しておけば業者に伝えやすくて便利です。
4-6.周囲の環境・設置状況も確認
エコキュートの設置場所や周辺環境が、もしかしたら異音の原因になっているかもしれません。たとえば、周囲に植栽や植木などがあると、室外機に落ち葉や小石の入り込みやすいことが考えられます。また、周囲のものの配置によっては、共振が起こりやすい環境かもしれません。壁・床と本体の距離が近すぎる場合も、振動が伝わりやすい設置状況だといえます。
4-7.点検・修理の履歴を確認
過去に点検・修理の経験がある場合には、その内容も確認しておくのがおすすめです。過去に修理した個所と同じ個所から異音が再発しているなら、部品の劣化や再調整が必要だと考えられます。また、保証期間内なら無料対応可能な場合があるので、保証書や設置時の書類も確認してみましょう。
4-8.すぐに連絡すべきサインがないか確認
様子見でいいのか緊急を要するのか、どうしても迷ってしまうものです。その場合には、すぐに連絡すべき次のようなサインが出ていないかを確認するといいでしょう。
- ブレーカーが落ちるような動作異常
- 異音とともに給湯不良がある
- 「異常ランプ」が点灯している
5.まとめ
エコキュートは普段から気にならない程度の小さな動作音がしているものなので、異音に気づいたからといって必ずしも修理が必要なわけではありません。
ただし、異音の種類によっては様子を見た方がいい場合や、ただちに修理を依頼した方がいい場合もあります。
すぐにでも見てもらいたい時でも、修理をスムーズにするために、まずは使用を中止して異音についての情報を集めるようにしましょう。
急ぎの時でも気軽に相談できる、エコキュート専門業者を探しておくのもおすすめです。
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