環境への問題意識の高まりや省エネ性能のよさなどから、住宅設備の選択肢として、今注目されているのが「オール電化」です。実際に多くの新築住宅では、オール電化が選ばれています。それではオール電化住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、オール電化を選択するメリットについて詳しくお話ししていきます。また近年では電気料金が高騰しているため、オール電化にするのを戸惑う人もいるかもしれません。そこで2025年現在の電気料金の事情を加味した、オール電化のメリットについても触れていきます。
1.そもそも「オール電化住宅」とは?基本の仕組みをおさらい
そもそもオール電化住宅とはどのような住宅なのか、基本の仕組みからおさらいしていきましょう。
1-1.オール電化とは?
「オール電化」とは、家庭内で使用するエネルギー源を、すべて電気でまかなう住宅のことです。従来は給湯・調理・暖房のエネルギーにガスを使用するのが一般的だったものの、オール電化住宅はエネルギーをすべて電気でまかないます。
1-2.オール電化の住宅は多い?
日本国内において、オール電化住宅の割合は15%程度にとどまっています。ただし新築住宅に限った場合、3軒に1軒がオール電化という、高い割合になっています。
1-3.オール電化の仕組み
オール電化の中心的な機器といえば、「エコキュート」です。「ヒートポンプ技術」で大気中の熱を取り込み、少ない電力で効率よくお湯を沸かします。調理には、火の出ない「IHクッキングヒーター」が使われます。
2.オール電化を選ぶおもなメリットを紹介!
ここからは、オール電化を選ぶことで得られるおもなメリットを4点紹介していきます。
2-1.火を使わないので安全
オール電化の大きなメリットとして、安全性の高さが挙げられます。調理などでガスを一切使わないため、引火の心配が不要です。オール電化なら、もともとガスを引き入れていないのでガス漏れの心配もなく、住宅火災のリスクを大幅に減らせます。
さらにIHクッキングヒーターなら火を使わないのはもちろん、表面温度も比較的低いので、万が一触ってしまったとしても、やけどのリスクが少ないのもメリットです。小さな子どもや高齢者のいる家庭でも、安心して使用できるでしょう。
2-2.光熱費を一本化できて管理しやすい
ガスと電気の両方を併用している住宅では、毎月それぞれの請求書が届きます。使用量や季節によって金額の変動も大きいので、家計の管理が煩雑になりがちです。一方でオール電化なら電気に一本化しているため、請求額も把握しやすく、家計管理がシンプルで簡単です。
2-3.災害時の備えになる
あまり知られていないかもしれませんが、エコキュートは常時300リットル以上の水をタンクに貯めているため、災害など万が一の場合に、タンク内の水を生活水として活用できるのです。飲料水にするには煮沸する必要があるものの、トイレや洗顔、手洗いなどの水などに大活躍します。
2-4.電気料金が安い時間帯を活用して電気代を抑えられる
多くの電力会社で、時間帯によって単価の変わる「時間帯別契約」プランが設定されています。多くの電力会社で夜間の電気料金を日中より安く設定しているプランが用意されているので、オール電化住宅でもこのようなプランを契約すれば、電気料金が大幅に削減できます。
エコキュートは、夜間の電力を使ってお湯を沸かし日中使う機器なので、夜間電力プランと相性抜群です。さらに蓄熱式の暖房機やIHクッキングヒーターも、夜間電力を利用して蓄熱すると、電気使用量の節約効果が高まります。
3.とくにこのような家庭にオール電化がおすすめ!
オール電化住宅にはさまざまなメリットがあるのに加え、とくに次のような家庭ではオール電化にすることで得られる恩恵が大きいでしょう。
3-1.新築・リフォームを予定している家庭
新築やリフォームのタイミングは、住宅設備についてまとめて見直しオール電化を導入する絶好の機会です。設計段階からオール電化導入を前提にすることで、機器の配置を決めたり、電気の使用計をしたりするのが効率よくできます。
3-2.小さな子どもや高齢の家族がいる家庭
ガス漏れの心配がないオール電化住宅や、火を使わないIH調理器なら、小さな子どもや高齢の家族がいる場合でも安心して暮らせます。
3-3.共働き家庭
オール電化住宅は夜間電力を活用することで省エネ効率が大幅にアップする特徴があるので、日中不在で電気を使うのは夜間と出勤前の朝が中心だという共働き家庭と相性抜群です。IHクッキングヒーターはガス調理器のように凹凸がなく平面的で、普段の掃除が簡単です。エコキュートでのお風呂の自動湯張りやお湯張り機能も、忙しい毎日にも時短が叶い、快適に暮らせます。
3-4.オール電化住宅への建て替え・リノベーションを検討中の家庭
長期的なコストパフォーマンスで見た場合、維持費の安さはオール電化の大きな魅力です。日々の暮らしの快適性や安全性の向上にもつながります。
3-5.太陽光発電を導入している・導入を予定している家庭
太陽光発電で創出した電力をオール電化でそのまま消費できるので、オール電化と太陽光発電は相性が抜群で光熱費の大幅な削減が可能です。蓄電池を併用すれば、災害時への備えにもなります。
4.電気料金が高騰していてもオール電化がお得?エコキュートがおすすめの理由
オール電化を選ぶのに当たって、近年の電気料金高騰がネックだと悩む人も多いのではないでしょうか。そこでここからは、電気料金が高騰していてもオール電化は本当にお得なのか、オール電化の中でもとくにエコキュートがおすすめの理由についてお話ししていきます。
4-1.2025年の電気料金動向
2025年現在、日本国内におけるエネルギーコストは上昇傾向が続いています。燃料価格の高騰や円安、脱炭素政策に伴った再エネ賦課金の増加などが要因で、電気料金は割高になっています。一般家庭向けの電気料金は、2024年に補助金が一時的に導入されていたものの、終了してしまいました。
ただし、実はすべての時間帯で電気料金が均一的に値上げされているのではありません。とくに深夜電力料金は比較的値上げ率の抑えられていることが多く、まだまだお得な状態が続いています。オール電化住宅ではまさにこの深夜電力を活用するシステムなので、深夜電力をうまく使えば、従来のガス併用住宅よりもまだまだお得な生活の実現できる余地があるのです。
4-2.オール電化の機器にもさまざまある
一口にオール電化といっても、その設備は「エコキュート」以外にもあるのはご存知でしょうか。次に、家庭用給湯器の代表的な機器と特徴をまとめました。
機器名 | エネルギー源 | 特徴 | 対応住宅 |
---|---|---|---|
エコキュート | 電気(ヒートポンプ) | 外気の熱を活用してお湯を沸かす。深夜電力を活用できて省エネ性能が高い。 | オール電化住宅 |
電気温水器 | 電気(電熱ヒーター) | 電熱ヒーターで水を直接加熱する。エコキュートより初期費用は安いがランニングコストは高め。 | |
エネファーム | 都市ガス+発電 | ガスで発電して、その熱を利用して給湯する。自家発電より光熱費を抑えられるものの、初期費用は高い。 | ガス併用住宅 |
エコジョーズ | 都市ガス | ガスの排熱を再利用して効率よくお湯を沸かす。設置しやすくガス代の節約ができる。 | |
エコワン | 電気+ガス | 電気ヒートポンプとガスのハイブリッド。効率性・安定性に優れるもののコストは高め。 | ハイブリッド住宅 |
この表を見てわかる通り、オール電化住宅に対応するのは、エコキュートと電気温水器です。
電気温水器はヒーターで直接加熱するので、消費電力が多く、電気代がかさみがちです。その点、エコキュートはヒートポンプ技術で大気の熱を利用するので、使用電力が大幅に抑えられます。そのため、電気料金高騰中でも、ランニングコストを大きく節約できるのがエコキュートだといえます。
5.電気料金が高騰していても、エコキュートならオール電化住宅でお得に暮らせる
電気料金が高騰する中でもおすすめのオール電化住宅ですが、とくにエコキュートならお得に暮らせるはずです。
5-1.電気代高騰の中でもエコキュートの省エネ性は抜群
電気料金が高騰しているとはいえ、電気料金のお得な深夜の時間帯にお湯を沸かすエコキュートなら、日中にガスで給湯するより格段に経済的です。さらにエコキュートのタンクは断熱性が高く、長時間にわたってお湯が保温されるので、お湯が必要ならすぐ使えて、無駄がありません。
また、ガス料金も年々上昇しています。ガスと電気を併用した住宅より、光熱費をトータルで見るとオール電化の方が、お得なケースが多く見られます。とくにファミリー世帯は給湯にかかるエネルギー消費が大きいので、高効率なエコキュートを導入することでの恩恵は絶大です。ガス給湯器からエコキュートに切り替えて、年間光熱費が5~8万円以上節約できたケースもあります。
5-2.エコキュートはこれからの住宅に求められる性能とマッチ
経済的な面だけでなく、安全性・環境性能の面でも、エコキュートによるオール電化住宅は高く評価されています。火やガスを使わない安心感や二酸化炭素排出量の少なさは、これからの住宅に求められるものです。
5-3.さらにエコキュートをお得に使うなら電力プランの見直しを
昨今の電気料金の高騰や電力自由化などの影響で、電気料金の仕組みは複雑になっています。再度お得なプランに見直すことで、お得な時間帯の出力を使用できるようになり、電気代を下げることが可能になります。
6.まとめ
オール電化なら、光熱費の削減や安全性能の向上、環境性や快適性を実現できるなど多くのメリットがあります。とくにエコキュートを中心にした設備導入によって、電気料金が高騰する中でも、高い省エネ性能でお得な生活が実現します。新築時はもちろん、現在ガスと電気の併用をしているお宅でも、リフォームによってオール電化を導入可能です。長期的なメリットを考慮して、オール電化の導入を検討してみましょう。
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