エコキュートは貯湯式給湯器で、経年劣化による水漏れが発生する可能性があります。
水漏れが発生すると、エコキュートが正常に稼働せず、水道代や電気代が急に高くなるなどのトラブルが起きるので注意しましょう。
そこで今回は、エコキュートの水漏れについて解説します。水漏れが起きたときに確認すべきポイントや対処法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートで水漏れが起きているときに発生する症状
エコキュートで水漏れが起きていると、次のような症状が発生する可能性があります。
- お湯が出ない
- お湯の消費ペースが早くなる
- 残湯メモリが増えない
- 水道代や電気代が急に高くなる
- ヒートポンプユニットの周りが湿っている
- エコキュートのリモコンユニットに漏水検知のエラーコードが表示される
上記を順番に解説します。
お湯が出ない
エコキュートは貯湯式給湯器です。ヒートポンプユニットが温めたお湯は高温の状態のまま貯湯タンクユニットで溜められ、必要に応じて水道水と混ぜて温度を下げた状態で給湯されます。
そのため、お湯を出そうとして水が出るのは、配管内に残っていた水道水が出ているだけなので、基本的には問題ありません。
しかし、給湯しているのにお湯が出ない、あるいはすぐに水に戻ってしまうのは、お湯が流れる配管で水漏れが起きている可能性があるので確認しましょう。
お湯の消費ペースが早くなる
エコキュートはリモコンユニットでお湯の消費量を管理しており、消費が激しい場合はお湯を沸かす量を増やすことで湯切れが起きないようにしています。
しかし、水漏れが起きているとAIが想定するよりもお湯が消費され、湯切れが起きてしまう可能性があります。
お湯の消費量はリモコンユニットや連携しているスマホアプリで確認可能です。定期的にチェックして、急にお湯の消費量が増えた時期がないか、注意しておきましょう。
残湯メモリが増えない
配管や貯湯タンクユニット自体に亀裂があり、水漏れが起きていると残湯メモリが増えません。
基本的に、エコキュートは電気代の安い深夜にお湯を沸かしているので、朝になったら残湯メモリが増えています。
朝起きた時に残湯メモリが増えていない、あるいは減っている場合は水漏れの可能性があると覚えておきましょう。
水道代や電気代が急に高くなる
水漏れが発生していると、水道代や電気代が急に高くなる可能性があります。
水道代が高くなるのは、水漏れによって余分に水が流れているためです。また、電気代が高くなるのは、水漏れによってお湯の消費ペースが早くなり、電気代の高い日中にお湯を沸かしているためと考えられます。
つまり、普段とライフスタイルや人数が変わっていないのに水道代や電気代が急に高くなったのは、水漏れが起きている可能性が高いです。
ヒートポンプユニットの周りが湿っている
ヒートポンプユニットとは、エアコンの室外機に似た外見をした機器です。
外気の熱を吸い込み、排出する関係で周りに霜が付着することはありますが、基本的にヒートポンプユニットの周りが濡れることはありません。
しかし、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの間の配管が経年劣化で壊れると水漏れが起きるため、不自然な濡れ方をする場合があります。
エコキュートは半年に1回のペースでメンテナンスを行うと長持ちします。メンテナンスをする際は、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの周りが不自然に濡れていないかチェックしましょう。
エコキュートのリモコンユニットに漏水検知のエラーコードが表示される
リモコンユニットでは、湯温や湯量のコントロール以外に、トラブルが起きたことを示すエラーコードが表示されます。
エラーコードはアルファベットと数字の組み合わせで表示され、どんなトラブルが起きているのか、どのように対処すれば良いのかを示します。
リモコンユニットの画面に見慣れない表示がある場合は、エラーコードが表示されている可能性が高いです。公式サイトや取扱説明書を確認して、指示された対処法を行いましょう。
なお、エラーコードはメーカーによって意味が異なります。次の表は、各メーカーの、水漏れを示すエラーコードをまとめたものです。
水漏れのエラーコード | |
---|---|
三菱電機 | F08 |
パナソニック | F17 |
ダイキン | C73 |
コロナ | E37 |
日立 | Er99 |
東芝 | E8 |
エコキュートで水漏れが起きているか確認すべきポイント
上記の症状が発生している場合、水漏れが本当に起きているか次のポイントを確認しましょう。
- ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの配管
- 周辺の地面
- 水道メーター
上記のポイントを順番に解説します。
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの配管
エコキュートが不調だったり、エラーコードが表示されたりするなら、水漏れが起きている可能性は高いです。
まずは、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの配管をチェックして、水やお湯が漏れていないか確認しましょう。
配管は経年劣化によって漏水が起きやすい箇所で、発生しているなら水やお湯がずっと出ているケースが多いです。
周辺の地面
故障している箇所によっては、エコキュートが稼働しないと水漏れが発生しません。
そのため、確認しに行っても配管から水やお湯が流れておらず、水漏れが起きているかどうか判断が付かないかもしれません。
配管から水やお湯が出ていない場合は、周辺の地面が不自然に濡れていないかチェックしましょう。
濡れている場合は、水漏れが原因とは断言できませんが、修理や点検が必要な可能性があります。
水道メーター
配管や周辺の地面が濡れていない場合は、見えない範囲で水漏れが起きているか、リモコンユニットのエラーの可能性が考えられます。
どちらが起きているのか判断したい場合は、ご家庭の水道をすべて止めて、出ていない状態にしましょう。次に、水道メーターを見て、メーターが回っているかどうかを確認します。
水道をすべて止めているのにメーターが回っている場合は、エコキュートかほかの場所で水漏れが発生している可能性が高いです。
メーターが回っていない場合は、リモコンユニットや漏水センサーがエラーを起こしており、漏水が起きていると勘違いしている可能性があります。
エコキュートを再起動してみて、問題が解決しないようなら修理や点検を依頼しましょう。
エコキュートで水漏れしている場合の対処法
エコキュートで水漏れしている場合の対処法は以下のとおりです。
- 電源を止める
- エコキュートの止水栓を閉める
- 場合によっては水道の元栓を閉じる
- メーカーや施工業者に修理を依頼する
上記を順番に解説します。
電源を止める
エコキュートで水漏れが発生している場合、最初にやるべきことは電源を止めることです。
水漏れが発生している箇所によっては漏電を招く恐れがあり、放置していると別の故障やブレーカーの遮断、火事など、さまざまなトラブルに発展する可能性が高いです。
そのため、水漏れが発生しているのを確認したら、まずは電源を止めましょう。
エコキュートの止水栓を閉める
エコキュートの電源を止めれば、勝手に稼働することはありません。
しかし、水漏れの発生している箇所によっては稼働していなくても続く場合があるため、次は止水栓を閉めます。
止水栓とは、エコキュートに給水される水道水をコントロールする栓です。貯湯タンクユニットの下部にあるので、公式サイトや取扱説明書を確認しながら閉めましょう。
場合によっては水道の元栓を閉じる
基本的に、電源を落として止水栓を閉めれば水漏れが発生したときの応急処置は完了です。
しかし、水漏れの箇所によっては止水栓を閉じても止まらない場合や、止水栓を閉めることができない場合があります。
上記のようなケースでは水道メーターの横にある元栓を閉めておくと良いです。
ただし、水道の元栓を閉じると、家庭全体への給水が止まります。トイレや洗濯機で水が流れないので注意しましょう。
メーカーや施工業者に修理を依頼する
水漏れはユーザーでは修理できない故障です。電源を落とし、止水栓や元栓を閉じたら、メーカーや施工業者に修理を依頼しましょう。
修理費用はメーカーや保証の有無によって異なりますが、15,000円~100,000円程度かかります。
エコキュートで水漏れが起きないように日頃からやっておくべきこと
エコキュートで水漏れが起きないように日頃からやっておくべきことは、メンテナンスです。
エコキュートは10年以上使用できる給湯器ではありますが、定期的なメンテナンスを行わないと寿命が短くなります。
エコキュートに必要なメンテナンスは複数ありますが、水漏れに関係しているのは以下のとおりです。
- 貯湯タンクユニットの水抜き
- 給水口ストレーナーの清掃
- 追い焚き配管の清掃
上記のメンテナンスのやり方を順番に解説します。
また、エコキュートのメンテナンスのやり方を詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
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貯湯タンクユニットの水抜き
エコキュートを使用していると、貯湯タンクユニット内部に不純物やゴミが溜まり、目詰まりを起こす原因となります。
目詰まりは水漏れを招く可能性があるので、半年に1回のペースで下記の水抜きを行いましょう。
- 1. 給水止水栓を閉める
- 2. 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
- 4. 排水栓を左に回して開ける
- 5. 2分ほど経過して排水が綺麗になったら排水栓を閉める
- 6. 排水が止まったら給水止水栓を開き、お湯が出ることを確認する
- 7. お湯が出たらすぐに逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
なお、貯湯タンクユニットの水抜き時にお湯が流れ出る可能性があるので、実行する際は注意しましょう。
給水口ストレーナーの清掃
給水口ストレーナーとは、お湯を配管に流し込む際の入り口です。不純物やゴミが溜まると目詰まりとなり、水漏れを招く可能性があるので、定期的に掃除しましょう。
給水口ストレーナーの清掃の手順は以下のとおりです。
- 1. 給水止水栓を閉める
- 2. 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
- 4. 給水口ストレーナーを外して歯ブラシやスポンジなどで掃除する
- 5. 給水口ストレーナーを装着する
- 6. 給水止水栓を開き水漏れが無いか確認する
- 7. 逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
手順が貯湯タンクユニットの水抜きと被っているので、一緒に行うと良いです。
追い焚き配管の清掃
フルオートタイプのエコキュートには追い焚き専用の配管があり、内部は入浴剤の成分や皮脂汚れなどが溜まっている可能性があるので、定期的に掃除しましょう。
追い焚き配管の掃除の手順は以下のとおりです。
- 1. 浴槽循環口から10cm以上の地点まで水やお湯を溜める
- 2. 指定された配管用洗浄剤を水やお湯に溶かす
- 3. 「さし水」または「ぬるめ」のスイッチを3秒以上長押しする
- 4. 「クリーニング」または「配管洗浄」が消灯したら、お風呂のお湯を排水する
- 5. 浴槽循環口のカバーを取り外し、歯ブラシやスポンジでゴミや湯垢などの汚れを清掃する
- 6. お風呂に水が残っていないことを確認し、「さし水」または「ぬるめ」スイッチを3秒以上長押しする
追い焚き配管の清掃には、配管用洗浄剤が必要になるので忘れずに準備します。
まとめ
以上が、エコキュートの水漏れに関する解説です。エコキュートが水漏れを起こすと、お湯が出ない、消費ペースが早いなどの症状が発生するので、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットを確認しましょう。
水漏れが起きていたら、エコキュートの電源を落とし、止水栓を閉めてからエコキュートのメーカーや施工業者に修理を依頼しましょう。なお、簡単な水漏れならすぐに修理できますが、場合によっては買い替えが必要です。
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