エコキュートは普及が広まるに伴い、様々な機種が販売されています。
そのため、どのエコキュートを選ぶか迷ってしまいます。
エコキュートは家族の人数や機能、住んでいる地域から選ぶのが一般的ですが、設置スペースや水圧、年間給湯保温効率もあわせることで、より家庭にマッチしたモデルを選べるようになります。
今回はエコキュートの選び方について解説します。
是非最後まで御覧ください。
エコキュートの選び方の基本
まずはエコキュートの基本的な選び方について触れておきましょう。
着目するのは「家族の人数」「機能」「住んでいる地域」の3つです。これらを押さえれば、エコキュート選びで大失敗することはありませんし、エコキュートにかかる費用を調べるのに役立ちます。
家族の人数によるエコキュートの選び方
エコキュートにはお湯をためておくタンクがあり、大きなものほど多くのお湯を沸かせます。入浴中にお湯切れを起こすと大変なので、小さすぎる貯湯タンクのエコキュートを選ばないようにしましょう。家族の人数別の貯湯タンクサイズの目安は以下の通りです。
- 3~4人家族なら 370リットル
- 4~5人家族なら 460リットル
- 5〜7人家族なら 550リットル以上
子どもが小さなうちにエコキュートを選ぶなら、成長にしたがってお湯を使う量が増えることを踏まえて、あらかじめ大きめのタンクのエコキュートを選んでおくと安心です。
給湯タイプ別エコキュートの選び方
エコキュートは給湯タイプ別に「フルオート」「セミオート」「給湯専用」の3タイプにわけられます。
フルオートタイプのエコキュート
フルオートは自動で「お湯張り」や「足し湯」ができるタイプです。ボタン一つで、バスタブに常に適量のお湯が張られている状態にできるもので、高機能なだけに最も高価です。
セミオートタイプのエコキュート
セミオートは自動で「お湯張り」はできるものの「足し湯」ができないタイプ。家族が入浴するたびに、お湯は少なくなっていきます。
給湯専用のエコキュート
給湯専用はすべて手動でおこなうタイプです。機能がシンプルなだけに、価格は最も安価になっています。
お住まいの地域別エコキュートの選び方
エコキュートには最低気温が-10度以下になる地域向けの「寒冷地仕様」や、海まで1kmほどの地域向けの「耐塩害仕様」や、海まで300m以内の地域向けの「耐重塩害仕様」が用意されています。
お住まいの地域にあったエコキュートを選ばないと、冬場にお湯が沸くまでの時間が極端に長くなったり、タンクや配管が潮風で腐食したりするでしょう。
お住まいの地域にマッチしたエコキュートを選び、省エネで快適なバスタイムを長く楽しんでください。
水圧によるエコキュートの選び方
エコキュート選びで後悔した点でよく挙げられるのが水圧についてです。
現在は改善した高圧タイプが発売され、不満の声が少なくなったとはいえ、かつては「エコキュートは水圧が低い」という声をよく耳にしました。ガス給湯器などの高い水圧が好みの方やシャワーで爽快感を味わいたい方、バスタブの湯張りを早く終えたい方は、各メーカーの「高圧仕様」に注目してエコキュートを選ぶとよいでしょう。
エコキュートで使われる水圧の単位は「kPa(キロパスカル)」、一般的なシャワーの水圧は家の立地条件によって異なりますが、200~400kPaとされています。
三菱電機の高圧仕様エコキュート
三菱電機の高圧仕様エコキュートには「ハイパワー給湯」という技術が使われており290kPaを実現しています。ちなみに通常型の水圧は180kPaなので、ハイパワー給湯では約1.6倍にもなっているのです。
ダイキンの高圧仕様エコキュート
ダイキンの高圧仕様エコキュートに使われているのは「パワフル高圧給湯」320kPa、かなりの高圧なので2階での使用にも不満は感じないはずです。その他のダイキンのエコキュートでは170kPaとなっています。
パナソニックの高圧仕様エコキュート
パナソニックの高圧仕様エコキュートが「パワフル高圧」で実現しているのは280kPaです。一般的なパナソニックの機種が実現している水圧170kPaと比較すると、かなりの高圧になっていることがわかるでしょう。
日立の高圧仕様エコキュート
日立の高圧仕様エコキュートには、水道水の勢いをそのまま利用できる「ナイアガラ出湯」が搭載されています。実現した水圧は最大500kPaで、ガス給湯機などと変わらないシャワーの爽快感が楽しめるでしょう。通常の日立のエコキュートでは190〜290kPaとなっています。
水圧の高さを求めるなら、日立のエコキュートが第一の選択肢です。
コロナの高圧仕様エコキュート
コロナの高圧仕様のエコキュートには「高圧力パワフル給湯」という技術が使われています。実現したのは290kPa、通常のコロナのエコキュート190kPaとくらべると、高い水圧となっていることがわかります。
東芝の高圧仕様エコキュート
東芝の高圧仕様エコキュートは「パワフル給湯タイプ」と名付けられており、余裕の水圧300kPaを実現しています。通常タイプの170kPaには不満を感じてしまう人も、パワフル給湯タイプなら満足できるはずです。
設置スペース別エコキュートの選び方
従来の選び方は設置スペースに余裕があるならベーシックな角型、余裕がないなら薄型といったものでしたが、さらに制限のあるスペース向きのエコキュートも登場しています。
たとえばマンションに住んでいるなど、スペースの都合でエコキュートをあきらめていた人にとって朗報といえるでしょう。
より省スペース向けエコキュート
三菱電機がラインアップしている「コンパクト・エコキュート」「エコキュート・ライト」は、設置スペースが限られている一戸建てや集合住宅向けに開発されたもの。従来の角型タイプとくらべると設置に必要なスペースは半分程なので、都市部の狭小住宅や集合住宅のパイプスペースにもおさまってしまいます。
ただし、いずれもタンク容量は180リットルで他とくらべると半分以下になっていることや、エコキュート・ライトは給湯専用で機能面に制限があることには注意が必要です。
特別背が低いエコキュート
パナソニックがラインアップしているエコキュート「Cシリーズ」は、従来より30cmも背が低くなっています。給湯タンクの高さのおかげで窓がふさがれてしまう、壁面の出っ張りと干渉してしまうなどの問題も、パナソニック・Cシリーズなら解決できてしまいます。
ただし、容量には注意が必要です。
角型エコキュート標準の370リットルよりやや少なく、300リットルいうタンク容量のため、4人以上の家族で使用する場合物足りなくなる可能性があります。
横幅もスリムなエコキュート
薄型のエコキュートには、角型と設置に必要な面積が変わらないという弱点がありますが、それを80%近くまで省スペースにしたのが、コロナがラインアップしている「スリムタイプ」です。
ポイントはスリムにもかかわらず、460リットルの大容量と充実した機能を実現しているところ。あわせて寒冷地タイプも用意されています。
年間給湯保温効率によるエコキュートの選び方
ガスや電気、灯油といった従来の給湯機と比較すると、エコキュートが圧倒的に高い省エネ性能を持つことは、弊社コラムで今までにも触れてきた通りです。
一方であまり知られていないのは、エコキュートの中でも省エネ性能の高い・低いがあること。フルオートタイプのエコキュートでは、メーカーが機種ごとに公表している「年間給湯保温効率」が目安になります。
ガス給湯機や電気給湯機、灯油ボイラーをエコキュートに交換した場合のメリットについては、以下の弊社コラムを参照してください。
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年間給湯保温効率とは?
「年間給湯保温効率」とは、どれくらいの電力でお湯を沸かせるかを表した数値です。高いほど消費電力が少なく省エネに優れており、0.1高くなると年間約1,000円の節約になると考えられます。
年間給湯保温効率はフルオートタイプのエコキュートに用いられるのに対して、セミオートや給湯専用タイプには「年間給湯効率」が用いられています。
三菱電機のエコキュートの年間給湯保温効率
2.7〜4.2が最低値〜最高値です。
高い値を示しているのは、バスタブの残り湯の熱を回収する「ホットりたーん」を搭載した「Pシリーズ」で4.0〜4.2ですが、搭載していない「Sシリーズ」なども、3.0と高い数値となっています。
ダイキンのエコキュートの年間給湯保温効率
2.7〜3.6が最低値〜最高値です。
3.5〜3.6と高い数値を示しているのは最高峰モデル「Xシリーズ」となっていますが、他にも3.3という高数値を記録しているモデルも複数あるので注目してください。
パナソニックのエコキュートの年間給湯保温効率
2.7〜4.0が最低値〜最高値です。
三菱電機「ホットりたーん」と同様の機能「ぬくもりチャージ」搭載のプレミアムクラス「JPシリーズ」が3.9~4.0と高い値を示していますが、ミドルクラスやスタンダードクラスの中にも3.5~3.6と高い値を示している機種も見られます。
日立のエコキュートの年間給湯保温効率
2.8〜4.2が最低値〜最高値です。
日立製エコキュートの特徴は「ホットりたーん」などの機能を使わずとも、それに負けない年間給湯保温効率を記録する機種があるところです。先述の「ナイアガラ出湯」を搭載した2つのモデルは4.1〜4.2、他にも3.5を示すモデルが複数ラインアップされています。
コロナのエコキュートの年間給湯保温効率
2.8〜4.0が最低値〜最高値です。
真空断熱材や「ホットりたーん」と似た機能を搭載することで、3.9〜4.0と高い数値を示しているのは「プレミアム」の2つのモデルですが「ハイグレード」シリーズの中にも3.3という高い数値を記録するモデルを見つけられます。
東芝のエコキュートの年間給湯保温効率
2.8〜3.6が最低値〜最高値です。
4.0を超えるようなモデルは見られないもののプレミアムグレードでは3.6、ハイグレードやスタンダードグレードでは3.3と、他社に見劣りしない年間給湯保温効率を示しています。
まとめ
設置スペースや水圧、年間給湯保温効率を検討することで、ご自宅によりマッチしたエコキュート選びができるようになりますが、あわせて活用したいのはプロならではの知識と経験です。
エコキュートについてお悩みなら、エコキュート専門店「sky-ecoキュート」にぜひご相談ください。
ガス給湯器など従来型給湯機からの入れ替えはもちろん、使用から10年を超えたエコキュートの交換も、お客様に最適な製品をご紹介いたします。
2024年にはかつてないほど高額なエコキュート購入補助金を受けられますので、ぜひこの機会にエコキュートの新設、交換をご検討ください。