エコキュートは他の給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられているため、長期間使用できれば光熱費を大幅に節約できます。しかし、短期間で故障してしまうと、節約の効果を得られません。
そこで今回は、エコキュートの寿命について解説します。エコキュートの寿命を伸ばす手入れの方法や、反対に寿命を縮める行為も紹介します。エコキュートの寿命について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートとは
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、リモコンユニットで構成されており、それぞれ次のような役割があります。
- ヒートポンプユニット…空気を圧縮して高温の熱を生み出してお湯を沸かす
- 貯湯タンクユニット…沸いたお湯を貯めておく
- リモコンユニット…お湯の設定温度や湯量などをコントロールする
一般的なガス給湯器は瞬間式給湯器で、水道水を直接沸かして各所に給湯します。一方、エコキュートはヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器になります。
エコキュートの寿命はどれぐらい?
一般的にエコキュートの寿命は10年~15年程度と言われています。次の表はエコキュートのメーカー保証をまとめたものです。
三菱 | パナソニック | 東芝 | ダイキン | コロナ | 日立 | |
---|---|---|---|---|---|---|
リモコンユニット | 2年 | 1年 | 5年 | 1年 | 2年 | 1年 |
ヒートポンプユニット | 3年 | 3年 | 5年 | 3年 | 3年 | 3年 |
貯湯タンクユニット | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 |
エコキュートはメーカーや機種によって機能や性能は異なりますが、基本的にヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、リモコンユニットという構成は変わりません。
しかし、ヒートポンプユニットは空気の熱を圧縮するコンプレッサーや熱交換器、膨張弁、電子部品など様々な部品で構成されているため、故障するリスクは高いです。
一方で、貯湯タンクユニットは機種にもよりますが300L以上のお湯を貯めておく必要もあるので、耐久性に優れており故障しにくいです。
表にあるように、ヒートポンプユニットよりも貯湯タンクユニットの保証期間が長いのは、貯湯タンクユニットのほうが壊れにくいとメーカー側も認識しているからです。
エコキュートの寿命に関する正確な統計はありません。しかし、メーカー側の保証期間や修理の頻度から、一般的にヒートポンプユニットの寿命は5年~10年、貯湯タンクユニットの寿命は10年~15年とされています。
エコキュートの寿命を長持ちさせる方法
エコキュートの寿命を長持ちさせる方法は、定期的なメンテナンスやお手入れです。
エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニット内部でお湯を貯めておく貯湯式給湯器です。一般的なガス給湯器と給湯の仕組みが違い、次のようなメンテナンスやお手入れをしておくと寿命を長持ちできます。
- ふろ配管の洗浄
- 貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの掃除
- 貯湯タンクユニット内の掃除
- 貯湯ユニットの点検
- ふろ接続アダプターの手入れ
- ヒートポンプユニットの水抜き
エコキュートの寿命を長持ちさせるメンテナンスやお手入れ方法を順番に解説します。なお、機種によって手順や名称が異なるので、実行する前に取扱説明書を確認しましょう。
ふろ配管の洗浄
エコキュートを使用し続けていると、風呂配管や追い焚き配管などに不純物が沈殿して、目詰まりを起こす原因になります。機種によっては泡によって汚れを落としたり、深紫外線で菌の増殖を抑えたりしますが、半年に1回程度のペースでふろ配管の洗浄を行いましょう。
ふろ配管の洗浄の手順は以下の通りです。
1.「ふろ自動運転」を切る
2. 浴槽に風呂接続アダプターより10cm以上の地点までお湯を貯めておく
3. 洗浄剤を入れる
4.「ふろ配管洗浄」を選択する
5. 洗浄完了後、浴槽のお湯を抜く
6. 風呂接続アダプターの上10cmまですすぎ用の水を入れて配管をすすぐ
風呂接続アダプターとは、エコキュートから浴槽にお湯を給湯する循環口のことです。
貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの掃除
貯湯タンクユニットやヒートポンプユニット、リモコンユニットの機器は定期的に乾拭きをして汚れやほこりを落としておきましょう。また、ヒートポンプユニットの周りに落ち葉やゴミがある場合は掃除しておくと良いです。
ヒートポンプユニットは外気を取り込んでお湯を沸かしますが、ファンの周りに落ち葉やゴミがあると、給湯効率が下がってしまいます。給湯効率が下がるとお湯を沸かすランニングコストに悪影響を及ぼすため、定期的な清掃は重要です。
また、清掃時に水漏れや機器のトラブルがないかチェックしておくと、エコキュートの寿命を長持ちできます。なお、水拭き、水洗いは漏電による感電や火災になる原因があるので止めましょう。
貯湯タンクユニット内の掃除
エコキュートは貯湯式給湯器のため、沸かしたお湯を貯湯タンクユニットで貯めておきます。基本的に水道水を煮沸し、空気に触れないように貯めておきますが、お湯のなかにはナトリウムやカルシウムなどの不純物が含まれています。
エコキュートを使用し続けていると、不純物が貯湯タンクユニット内部に溜まり、浴槽内に汚れが浮いたり、ゴミが混ざったりするようになります。
そのため、定期的に貯湯タンクユニット内部の水抜きをおこない、不純物を排出しましょう。水抜きの手順は以下の通りです。
1. 漏電遮断器をオフにする
2. 給水止水栓を閉める
3. 逃し弁レバーを上げる
4. 排水栓を排水側に合わせて約2分間排水
5. 排水栓を通常側に戻す
6. 給水止水栓を開ける
7. 排水ホースからお湯が連続的に出るのを確認する
8. 逃し弁レバーを下げる
9. 漏電遮断器をオンにする
貯湯タンクユニットに溜まっておりお湯は設定温度にもよりますが高温です。そのため、排水管や排水ホースから出る排水に触れると、火傷をする恐れがあります。
貯湯ユニットの点検
貯湯タンクユニットは水抜き以外に次のような点検が必要です。
- 逃し弁の作動点検
- 逃し弁の水漏れ点検
- 漏電遮断器の作動点検
それぞれの点検の手順は以下の通りです。
手順 | |
---|---|
逃し弁の作動点検 | 1. 逃し弁レバーを上げる 2. 排水ホースからお湯が出ることを確認する 3. 逃し弁レバーを下げる |
逃し弁の水漏れ点検 | 1. リモコンユニットで沸き上げが消灯していることを確認する 2. 排水ホースからお湯が出ていないことを確認する |
漏電遮断器の作動点検 | 1. 漏電遮断器のテストボタンを押す 2. 漏電遮断器がオフになることを確認する |
上記の点検は半年に1度のペースで充分なので、水抜きのときに一緒に確認しましょう。
ふろ接続アダプターの手入れ
浴槽内部のふろ接続アダプターは取り外して掃除をすることが可能です。
アダプターにゴミが詰まっていると給湯効率が下がるので、定期的に取り外して、歯ブラシで水洗いをして取り除きましょう。
ヒートポンプユニットの水抜き
ヒートポンプユニットにも水道水の不純物が沈殿する可能性があるので、半年に1度のペースで水抜きをしましょう。ヒートポンプユニットの水抜きの手順は以下の通りです。
1. ヒートポンプユニットにある水抜き栓を回す
2. 1分間~2分間排水する
3. 排水が終わったら水抜き栓を閉める
なお、ヒートポンプユニットの水抜きを行うときは、水抜き栓を回しすぎないように注意しましょう。
エコキュートの寿命を短くする恐れのある行為
エコキュートの寿命は10年~15年ですが、メンテナンスやお手入れを定期的に行わないと短くなります。
また、次のような行為をしてしまうと、寿命が短くなる恐れがあります。
- 指定されていない入浴剤を使用する
- 環境に合っていない機種を使用している
上記の行為を順番に解説します。
指定されていない入浴剤を使用する
エコキュートは大きく分けて、次の3種類に分類されます。
概要 | |
---|---|
給湯専用 | 給湯のみ搭載した機種で、手動でお湯を張る オートやフルオートに比べて価格が抑えられている |
オート | 自動でお湯はりが可能 追い焚き機能は搭載されていない |
フルオート | 自動でお湯はりが可能 追い焚き機能は搭載されている |
エコキュートのフルオートタイプは、浴槽のお湯を循環させて温めなおす、追い焚き機能が搭載されています。お湯を温めなおす時に、新しいお湯を足さないので、水道代の節約が可能な機能です。
しかし、追い焚き機能が付いているフルオートタイプのエコキュートは、お湯に含まれている入浴剤が追い焚き配管を循環すると目詰まりを起こし、故障する可能性が高いです。
そのため、エコキュートメーカーは使用できる入浴剤を公表しており、指定以外の入浴剤を使用しないように促しています。
特に、にごりやとろみ、硫黄、塩分、薬草などを含んでいる入浴剤はエコキュートの寿命を縮める可能性があるので、使用は控えましょう
環境に合っていない機種を使用している
エコキュートは一般的に住宅の外に設置して使用する給湯器です。そのため、塩害地域や寒冷地域に住んでいる方は、専用のエコキュートを購入しないと、エコキュートが故障するリスクが高くなります。
また、硬度の高い水道水や井戸水を使用しているエリアの場合、通常エコキュートを使用できない可能性があります。
エコキュートメーカーによっては硬水に対応した機種もあるので、硬度の高い水道水や井戸水を使用しているエリアでも、使用できます。
該当する地域に住んでいる方はエコキュートメーカーに依頼して水質検査を行い、エコキュートを使用できるか問い合わせましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの寿命に関する解説です。エコキュートの寿命はヒートポンプユニットが5年~10年、貯湯タンクユニットは10年~15年が目安です。ただし、使い方やお手入れの有無で寿命は縮むこともあるので注意しましょう。
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