エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。ほかの給湯器に比べて省エネ性能に優れていますが、電気を使うため電気代に影響を与える可能性は高いです。
また、エコキュートを設置して電力プランを切り替えると、以前の電気代よりも高くなるケースがあるため、注意しましょう。
この記事では、エコキュートで節電する方法を解説します。電気代を節約したい方は、最後までご覧ください。
エコキュートで節電する方法は?
エコキュートで節電する方法は以下のとおりです。
- 季節に応じたモードの切り替え
- 昼間の沸き上げを停止
- ピークカット設定の利用
- 高温足し湯を活用
- 節電機能を活用
- 自動保温機能を適切に使用
- 沸き上げ量と消費量の見直し
- 定期的なメンテナンス
上記を順番に解説します。
季節に応じたモードの切り替え
エコキュートは、季節ごとに適切なモードに切り替えることで、電力消費を抑えることが可能です。
冬はお湯の使用量が増えるため、普段のモードよりもお湯を多く沸かせるモードに切り替えてタンク内の水を多く加熱し、昼間の追加沸き上げを減らすことが効果的です。
逆に夏場はお湯の使用量が少なくなるため、「おまかせ」や「省エネモード」に設定することで、必要以上の沸き上げを避けることができます。
季節に応じてモードを切り替えることで、電力消費を最小限に抑え、シーズンごとの電気代を節約しましょう。
昼間の沸き上げを停止
エコキュートは主に夜間の安価な電力を利用してお湯を作りますが、タンク内の湯量が減少すると昼間にも沸き上げが行われることがあります。
次の表は、関西電力エリアでエコキュートを購入した場合に契約する「はぴeタイムR」の料金をまとめたものです。
はぴeタイムR | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 2,409.40円 | |
10kWを超える1kWにつき | 1kW | 416.94円 | ||
電力量料金 | デイタイム(平日10時~17時) | 夏季 | 1kWh | 28.87円 |
その他季 | 26.24円 | |||
リビングタイム (平日7時~10時・17時~23時、休日扱い日の7時~23時) |
22.80円 | |||
ナイトタイム(毎日23時~翌7時) | 15.37円 |
表にあるように、ナイトタイムは1kWhあたり15.37円ですが、夏季のデイタイムでは2倍近い値段となっています。
つまり、エコキュートが日中に稼働すると、電気代が高くなってしまう可能性は高いです。
電気代を節約したいと考えている方は、日頃からお湯を使いすぎないように注意したり、湯切れが発生しないように沸かす量を調整したりしましょう。
また、湯切れが発生してお湯を沸かそうとしている場合、お湯を使う予定がないなら自動沸き上げを停止すると良いです。
ピークカット設定の利用
「はぴeタイムR」と同様に、エコキュートを購入した時に切り替える電力プランでは、昼間の特定時間帯の電気料金が高額になります。
エコキュートを昼間に稼働させると、電気代が急増する可能性があるため、ピークカット設定を行いましょう。
ピークカット設定とは、特定の時間帯にエコキュートが稼働することを抑制する機能で、日中に湯切れが発生しても勝手に沸き増しを行いません。
日中のピーク時間帯に在宅しない家庭は、事前に設定しておくと良いです。
高温足し湯を活用
浴槽に張ったお湯は時間経過と共に冷えていき、タイミングによっては温めなおす必要があります。
お風呂の再加熱方法はフルオートタイプのエコキュートなら、高温たし湯と追い焚きの2種類です。
- 高温たし湯…高温のお湯を足す
- 追い焚き…お風呂のお湯を戻して温めなおす
高温たし湯は文字通り、貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯を浴槽に足す方法で、おもに水道代がかかります。
一方、追い焚きは貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯の熱を利用してお風呂のお湯を温めなおす方法です。
お風呂のお湯がタンク内のお湯と混ざることはありませんが、熱交換をするためタンク内部のお湯の熱が下がってしまい、状況によってはエコキュートが普段と違ったタイミングで稼働する可能性があります。
追い焚きは余分な電気代が発生する可能性を否定できないので、電気代の節約という観点なら高温たし湯がおすすめです。
節電機能を活用
エコキュートには、多くの機種で節電機能が搭載されています。
例えば、三菱電機のエコキュートには節電モードがあり、過去2種間分の学習データを基に、沸き上げ量を通常のモードよりも少なくするモードです。
節電モードはレベルをご自身で選ぶことができ、見える節電によって消費電力の削減量の目安を確認できます。
メーカーや機種によって搭載されている節電機能は異なりますが、最大限に活用することで、電力消費を最小限に抑え、エコキュートの効果的な運用が可能です。
エコキュートを選ぶ際は、節電機能もチェックしてみましょう。
自動保温機能を適切に使用
フルオートタイプのエコキュートには自動で保温する機能が設定されていますが、長時間使用すると無駄な電力消費が増加する可能性があります
また、自動保温機能でお湯の温度を維持する方法は追い焚きが一般的です。上記でも説明しましたが、追い焚きは高温たし湯に比べて電気代がかかる方法なので、推奨できません。
そのため、家族の入浴時間が異なり、間が空く場合は一度自動保温を解除して、必要に応じて高温たし湯を行うようにすると良いです。
また、なるべく家族全員が短時間で、間を開けずに入浴を済ませられるようにすれば、お湯が冷めず、高温たし湯を使う必要がありません。
沸き上げ量と消費量の見直し
エコキュートは夜間にお湯を沸かし、翌日以降に消費する貯湯式給湯器です。
最新のエコキュートはお湯の使用量から最適な沸き上げ量を算出し、日中に湯切れが発生しないように調整しています。
しかし、季節やライフスタイルによっては、AIが判断している沸き上げ量が多すぎて、余分にお湯を沸かしている場合があります。余分にお湯を沸かしているなら、電気代の節約のために適切な量に設定を変更しましょう。
また、お湯の消費量を減らすことができれば、AIは適切な沸き上げ量を見極めて、量を減らすようにするため、結果として電気代の節約につながります。
そのため、定期的に沸き上げ量と消費量を確認し、見直しをすると良いです。
定期的なメンテナンス
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす貯湯式給湯器です。
エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットが空気の熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所に給湯します。
ヒートポンプユニットは大気の熱を取り込む際にファンを回転させますが、ファンの周りがゴミや雪で塞がっていると効率が下がります。また、季節によっては霜が張り付いていて、正常に稼働しないケースが発生しやすいです。
ほかにも、エコキュートを使用し続けていると内部に不純物やゴミが沈殿していき、目詰まりを起こす原因になります。
上記のような状態を放置していると、給湯効率に悪影響を及ぼし、電気代が余分にかかります。
電気代だけでなく、エコキュートの寿命を縮めてしまい、故障を招く可能性を否定できません。
そのため、エコキュートを設置したら定期的にメンテナンスを行いましょう。
エコキュートで電気代の節約は必要なの?
結論から申し上げますと、エコキュートを設置したら電気代の節約を考える必要があります。
次の表は、エコキュートとほかの給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは家族の人数やお湯の消費量によって異なりますが、エコキュートは省エネ性能の高い給湯器なので、お湯を沸かすためのランニングコストを大幅に節約することはできます。
しかし、エコキュートを設置したときに切り替える電力プランは、ほかの電力プランに比べて割高な傾向があります。
例えば、関西電力の「従量電灯A」の場合、1kWhあたりの電気料金単価が20.21円~28.59円となっています。
一方、「はぴeタイムR」はナイトタイムが15.37円ですが、ほかの時間帯は22.80円~28.87円となっており、「従量電灯A」の料金単価に比べて高いです。
日中の電気料金単価が割高なプランに切り替えるため、日中の消費電力量が多い家庭はエコキュートに買い換えたことで電気代が増えてしまう可能性があります。
そのため、エコキュートを購入した方は、電気代の節約を検討するべきです。
電気代を節電する方法
エコキュートの設定や使い方を見なおす以外にも、家電やライフスタイルなどを見直すことで電気代を節約することが可能です。
また、次の方法を実行すると、電気代の大幅な節約が期待できます。
- 電力プランの見直し
- 太陽光発電システムや蓄電池の導入
- ランニングコストが安いエコキュートに買い替える
上記を順番に解説します。
電力プランの見直し
電力自由化により、利用者は電力会社や電力プランを自由に選ぶことができます。
大手電力会社である旧電力以外に、電力自由化以降に参入した新電力でもオール電化向けやエコキュートを設置している方向けの電力プランを提供しており、条件を満たしていれば切り替えることが可能です。
1kWhあたりの電気料金単価は電力会社や電力プランによって異なり、セット契約やキャンペーンによって電気代が節約できる可能性があります。
現在の電気代に不満がある方は、電力プランの見直しを検討してみましょう。
太陽光発電システムや蓄電池の導入
太陽光発電システムや蓄電池の導入は電気代の大幅な節約が期待できます。
太陽光発電システムとは、光エネルギーによって電気を発電する住宅機器で、設置すれば日中に電力会社から購入する電気量を減らすことが可能です。また、余剰電力を売ることで、売電収入を得られます。
蓄電池は電力を蓄えておき、必要に応じて給電できる住宅機器です。太陽光発電システムで発電した電力を蓄えて夜間に使用すれば、消費電力量を減らすことに役立ちます。
太陽光発電システムがなくても、蓄電池があれば夜間の電気代が安い時間帯に購入しておき、電気代が高い日中に使用するといった使い方も可能です。
どちらも高額な住宅機器ではありますが、タイミングによっては補助金でお得に購入できる可能性があるため、チェックしてみましょう。
ランニングコストが安いエコキュートに買い替える
エコキュートは年間給湯保温効率が高い機種ほど、ランニングコストが抑えられている傾向があります。
年間給湯保温効率とは、日本工業規格であるJIS C 9220:2011に基づき、ふろ保温機能を保有しているヒートポンプ給湯機を運転した時の単位消費電力量あたりの給湯熱量および保温熱量を表した数値です。
数値が高いほど効率良くお湯を沸かして保温できるという証明になるため、エコキュートの省エネ性能を示す数値と言えます。
同条件下なら年間給湯保温効率が高いエコキュートのほうが、電気代を節約することが可能です。
年間給湯保温効率の数値は一定期間ごとに更新されており、数年前のエコキュートの数値を現在の基準で計算しなおすと低いというケースはあります。
現在のエコキュートで年間給湯保温効率の相場は3.6~4.2なので、電気代を節約したいと考えている方は、最新の基準で3.6以上を達成している機種に買い替えましょう。
まとめ
以上が、エコキュートで節電する方法の解説です。エコキュートで節電する場合は、無駄な沸き増しを行わないように、設定や使い方を見なおすと良いです。
また、電気代を大幅に節約したい方は、料金プランの変更や太陽光発電システム、蓄電池などの導入、ランニングコストが抑えられている機種への買い替えなども検討してみましょう。
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