こどもエコすまい支援事業は子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性の高い住宅やリフォームを行う場合に補助金を支給する制度です。補助の対象が幅広いことが特徴で、子育て世帯や若者夫婦世帯は利用の検討してみましょう。
そこで今回は、こどもエコすまい支援事業の詳細について解説します。子育て世帯や若者夫婦世帯に当てはまる方は、最後までご覧ください。
こどもエコすまい支援事業とは?
こどもエコすまい支援事業とは国土交通省が行っている補助金制度です。大きく分けて、次の2種類の補助金があります。
- 子育て世帯・若者夫婦世帯が新築住宅や新築分譲住宅を購入する際の補助金
- すべての世帯がリフォーム工事を行う際の補助金
こどもエコすまい支援事業における子育て世帯と若者世帯の定義は以下の通りです。
定義 | |
---|---|
子育て世帯 | 申請時点において子(令和4年4月1日時点で18歳未満、すなわち平成16(2004)年4月2日以降出生の子)を有する世帯のこと |
若者夫婦世帯 | 申請時点において夫婦であり、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(すなわち昭和57(1982)年4月2日以降出生)の世帯 |
つまり、申請時に子供が18歳未満なら子育て世帯、夫婦のどちらかが39歳以下なら若者夫婦世帯の場合は注文住宅や新築分譲住宅を購入する際に最大100万円の補助金が貰えます。
一方で、リフォーム工事の場合はすべての世帯が対象で、原則30万円の補助金が貰えます。すべての世帯が対象なのは魅力的なポイントです。ただし、対象となりフォーム工事によって条件や金額は異なるので、利用する際はしっかりと確認しましょう。
子育て世帯・若者夫婦世帯を対象としたこどもエコすまい支援事業の詳細
こどもエコすまい支援事業では、子育て世帯・若者夫婦世帯に対して次の補助金が支給されます。
- 注文住宅・新築分譲住宅の購入時に100万円の補助金
- リフォーム工事の際に最大60万円の補助金
上記を順番に解説します。
注文住宅・新築分譲住宅
注文住宅・新築分譲住宅で補助金を貰える条件や期間などは以下の通りです。
注文住宅 | 新築分譲住宅 | |
---|---|---|
対象 | 子育て世帯、または若者夫婦世帯のいずれかである | |
こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約を締結し、住宅を新築する方 | こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約を締結し、新築分譲住宅を購入する方 | |
対象となる新築住宅 | 所有者が自ら居住する 住戸の床面積が50㎡以上である 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの 証明書等により、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有することが確認できる 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる |
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未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないも | 不動産売買契約締結時点において、未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの | |
対象となる期間 | 2022年11月8日~予算上限に達するまで (遅くとも2023年12月31日まで) |
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補助額 | 1戸あたり100万円 |
基本的に、注文住宅と新築分譲住宅の購入時におけるこどもエコすまい支援事業の条件に大きな違いはありません。
ポイントは「ZEHレベル」の住宅を注文、購入する際に補助金が貰えることです。
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、高い断熱性能を有しており、エコキュートやHEMSによる省エネが可能で、太陽光発電システムや蓄電池などによる創エネを組み合わせて、住宅の一次エネルギーの年間消費量が正味でおおむねゼロになる住宅のことです。
つまり、家で消費するエネルギー量と家で生産するエネルギー量が差し引きでゼロになることを目指した指標です。
こどもエコすまい支援事業では、子育て世帯・若者夫婦世帯が太陽光発電システムや蓄電池を設置し、エコキュートやエネファームなどの省エネ性能の高い給湯器システムを導入し、高性能断熱材や高断熱サッシを用いている住宅の購入時に100万円の補助金を支給します。
リフォーム工事
エコすまい支援事業は条件を満たしたリフォーム工事を行うすべての世帯に原則30万円までの補助金を支給します。ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合は、補助金の上限額が次のように上昇します。
世帯属性 | 既存住宅の購入 | 1戸あたりの上限補助額 |
---|---|---|
子育て世帯・若者夫婦世帯 | 該当する | 60万円 |
該当しない | 45万円 |
子育て世帯・若者夫婦世帯の場合、購入した既存住宅のリフォーム工事なら、最大60万円までの補助金を貰えます。
なお、すべてのリフォーム工事が補助金の対象にはなりません。例えば、次のようなリフォーム工事では補助金が支給されないので注意しましょう。
- ドアの一部および欄間に取り付けられたガラスを交換する工事
- 店舗併用住宅等の住宅以外の部分の工事
- 住宅の所有者等が住宅設備を購入し、その取付を住宅事業者に依頼する工事(いわゆる施主支給や材工分離による工事)
- 外皮以外の部分(外気に面しない間仕切壁)の窓やガラス、ドアの工事
- 屋外に設置した手すり工事や、屋外の段差解消の工事
- 太陽光発電設備の設置工事
- 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)の設置工事
- リース設備の設置工事
- 中古品を用いた工事
リフォーム工事の補助金額は次のように異なります。
リフォーム工事の内容 | 補助金額 | |
---|---|---|
必須工事 | 開口部の断熱改修 | 15,000円~45,000円 |
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 | 20,000円~150,000円 | |
エコ住宅設備の設置 | 27,000円~64,000円 | |
必須工事と同時に行う場合のみ補助の対象 | 子育て対応改修 | 11,000円~21,000円 |
防災性向上改修 | 15,000円~37,000円 | |
バリアフリー改修 | 5,000円~28,000円 | |
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | 19,000円~25,000円 | |
リフォーム瑕疵保険等への加入 | 7,000円 |
リフォーム工事では必須工事と補助工事に分かれており、必須工事は1つだけでも補助金の申請が可能ですが、補助工事を申請したい場合は必須工事も行う必要があります。
例えば、エコキュートの設置は必須工事の「エコ住宅設備の設置」に含まれているため、単独で申し込むことが可能です。しかし、エアコンは「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」に含まれているので、単独で申し込みができません。
すべての世帯を対象としたこどもエコすまい支援事業の詳細
すべての世帯を対象としたエコすまい支援事業は、リフォーム工事のみです。リフォーム工事の条件や概要は以下の通りになります。
概要 | ||
---|---|---|
対象 | こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
リフォームする住宅の所有者等であること |
|
対象となるリフォーム工事 | 必須工事 | 開口部の断熱改修 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 エコ住宅設備の設置 |
必須工事と同時に行う場合のみ補助の対象 | 子育て対応改修 防災性向上改修 バリアフリー改修 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 リフォーム瑕疵保険等への加入 |
|
対象となる期間 | 2022年11月8日~予算上限に達するまで (遅くとも2023年12月31日まで) |
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補助額 | 原則、1戸あたり30万円を補助上限とする |
対象工事の補助金額や条件などは子育て世帯・若者夫婦世帯と同じですが、補助金の上限が次のように異なります。
世帯属性 | 既存住宅の購入 | 1戸あたりの上限補助額 |
---|---|---|
その他世帯 | 該当する(安心R住宅に限る) | 45万円 |
該当しない | 30万円 | |
子育て世帯・若者夫婦世帯 | 該当する | 60万円 |
該当しない | 45万円 |
つまり、子育て世帯・若者夫婦世帯に含まれない方で、住んでいる住宅でリフォームをする場合、1戸あたりの上限補助額は30万円までとなります。
安心R住宅とは、国土交通省が定めた一定の基準を満たす既存住宅のことです。住宅の広告に「安心R住宅」とついていれば、構造上の不具合や雨漏りに対応した保険などが確認されており、詳しい情報を開示されるので安心して物件を購入できます。
エコすまい支援事業を利用してエコキュートを購入したい場合の注意点
エコすまい支援事業を利用してエコキュートを購入したい場合の注意点は以下の通りです。
- リフォーム工事でのエコキュートの補助金額は安い
- エコすまい支援事業は他の国の補助金制度と重複できない
上記の注意点を順番に解説します。
リフォーム工事でのエコキュートの補助金額は安い
エコすまい支援事業は注文住宅・新築分譲住宅の購入とリフォーム工事の場合に補助金が支給される制度で、どちらもエコキュートの購入に対して一定額の補助金を望めます。
しかし、子育て世帯・若者夫婦世帯以外の方の場合は、エコキュートの購入で補助金が貰えるのはリフォーム工事のみとなります。
こどもエコすまい支援事業のリフォームは原則30万円までの補助金を貰えますが、他のリフォーム工事の補助金との合計金額になります。
リフォーム工事の場合、エコキュート1台につき補助金額は27,000円です。一方で、経済産業省資源エネルギー庁が行っている給湯省エネ事業では、エコキュート1台につき50,000
円の補助金が貰えます。
つまり、エコキュートのみの補助金と考えると、他の補助金制度に比べて安い傾向があります。
エコすまい支援事業は他の国の補助金制度と重複できない
基本的に、国庫を財源とする補助金制度で補助の対象が重複している場合は補助金を受け取ることができません。
例えば、エコすまい支援事業でエコキュート以外のリフォーム工事の補助金を申請しても、給湯省エネ事業でエコキュートの補助金を申請することは可能です。
しかし、エコすまい支援事業でエコキュートを含めたリフォーム工事の補助金を申請すると、給湯省エネ事業でエコキュートの補助金を申請できません。
エコすまい支援事業のリフォーム工事での補助金は27,000円です。補助金額は子育て世帯・若者夫婦世帯であっても、その他世帯と変わりません。
一方で、給湯省エネ事業でのエコキュートの補助金は50,000円です。つまり、補助金制度によってはエコキュートへの補助金額がエコすまい支援事業よりも多い可能性があるので、他の補助金制度の利用も検討してみましょう。
まとめ
以上が、エコすまい支援事業の詳細の解説になります。エコすまい支援事業は子育て世帯・若者夫婦世帯なら、注文住宅・新築分譲住宅の購入時に100万円、リフォーム工事なら45万円~60万円の補助金が貰えます。
補助金の上限金額が高く、幅広く対応していることが魅力の補助金制度です。ただし、エコキュートのみの補助金制度と考えた場合、他の制度と比べて安い傾向はあります。
国庫を財源とした補助金制度は重複不可なので、エコキュートのみを購入したい場合は別の補助金制度を検討してみましょう。
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