エコキュートといえば、比較的割安な深夜電力を使ってお得にお湯を沸かせる給湯器として普及してきました。最近、「おひさまエコキュート」が登場しました。これは太陽光発電の余剰電力でお湯を沸かすものです。
太陽光発電と組み合わせることで、光熱費の削減や発熱効率の向上などが期待されています。今回はおひさまエコキュートの特徴や従来型との違い、使用するうえでの注意点、給湯省エネ事業などについて解説します。
おひさまエコキュートの特徴
エコキュートは比較的安い夜間・深夜の電力を利用してお湯を沸き上げるタイプが主流でした。最近は太陽光発電と組み合わせた「おひさまエコキュート」が話題となっています。ここではその特徴や従来型との違いについて解説します。
おひさまエコキュートとは
おひさまエコキュートは、2022年2月に発売された新しいタイプの給湯器で、太陽光発電の余剰電力を利用してお湯を沸かします。2023年7月現在、様々なメーカーがリリースしており、給湯器の種類を変えることで光熱費を抑えることができます。
太陽光発電と合わせて活用でき、日中にお湯を沸かすことが可能です。これにより、太陽光発電で生み出した電力を効率よく自家消費してお湯を沸かします。電力会社が供給する火力発電由来の電力消費を抑えることで、CO2排出量の削減と給湯光熱費の節約を達成できます。
従来型のエコキュートとの違い
おひさまエコキュートも従来型もヒートポンプの仕組みを使ってお湯を沸かすという基本的な仕組みは同じです。しかし、太陽光発電システムを必須としている点やお湯を沸かす時間帯、電力会社と契約するプランの3つに違いがあります。
おひさまエコキュートは太陽光発電の自家発電で生み出した電力の使用を前提としているため、必ず、太陽光発電をセットで組み合わせなければなりません。単体での導入は不可能ですので注意しましょう。
お湯を沸かす時間については、従来型が夜間に割安な深夜電力を使ってお湯を沸かす夜間蓄熱型であるのに対し、おひさまエコキュートは太陽光の発電量の多い昼間にお湯を沸かします。天候が悪い場合は契約している電力を利用して沸かします。
また、エコキュートを導入すると、それに適した電力プランに変更する必要があります。従来型は、夜間の電力料金が安くなる代わりに昼間の電力料金が高くなるプランを申し込むのが一般的でした。
一方、おひさまエコキュートの場合は昼間にお湯を沸かすため、夜間に安くなるプラン以外の電力料金プランを選択できます。
おひさまエコキュートのメリット
一口にエコキュートといっても、おひさまエコキュートと従来型には色々な違いがあることがわかりました。ここからは従来型にはない3つのメリットについて解説します。
太陽光でお湯を沸かすので経済的
自宅の太陽光発電の余剰電力を使って昼間にお湯を沸かす給湯器である点が最大の特徴です。太陽光発電で十分に電力を生み出せているときであれば、自家発電でお湯を沸かせるため光熱費を節約できます。
2022年に、エネルギー資源の価格が世界的に高騰しました。ロシアとウクライナの戦争は長期化の様相を示していますし、アメリカと中国の対立、インドと中国の対立、中東諸国の不安定化などエネルギー資源の価格上昇リスクが解消されたわけではありません。
加えて、2022年に大幅に進行した円安が、2023年以降に継続する可能性もあります。日本の低金利が続く以上、円安が早期に是正される可能性はあまり高くありません。
こうした状況を受け、2023年6月、大手電力会社7社は経済産業省に規制料金の値上げを申請。経済産業省もこれを認可しました。国による激変緩和措置などがあり、値上げの影響は最小限にとどまっていますが、今後の電力価格については不透明感があります。
おひさまエコキュートであれば、自家発電した電力をつかってお湯を沸かすことができるため、国際関係の悪化や円安の進行による電気代高騰の影響を最小限に食い止められます。電気代高騰の影響をできる限り抑えたい人にとって有力な選択肢となるでしょう。
昼間の暖かい空気でお湯を沸かすので高効率
電力消費が従来型に比べて少なくて済むメリットがあります。従来型は夜間にお湯を沸かすため、水温が低い状態から沸かす必要がありますが、昼間の暖かい空気を利用してお湯を沸かすタイプでは水温が高いため、少ない電力でお湯を沸かせます。
当日の昼間にお湯を沸かしてそのまま夜に使用するため、保温時間が短く放熱ロスが少ないというメリットもあります。追い炊きでお湯を温める必要がなくなるので電気代を削減できます。
沸き上げるための電力と保温用の電力を節約できれば、ランニングコストを抑えることができます。つまり、おひさまエコキュートは昼間の暖かい空気を利用して効率よくお湯を沸かせるだけでなく、少ない電力で給湯できる経済的な設備だといえます。
災害時でも貯湯タンクの水を使える
おひさまエコキュートには大きなタンクが必要で、場所を取るというデメリットもありますが、災害時や断水時にはタンクにたまったお湯を非常用水として利用できる点がメリットとなります。
太陽光発電設備が損傷していなければ、停電中でもエコキュートでお湯を沸かせるのも大きなメリットです。
機種によっては災害警報が発令されると、自動的に貯湯タンクを満タンにしたり、浴槽に水を張る災害対策機能も備えた製品もあります。タンクの水が使用できることで、飲用水を節約したり、衛生面を維持するのに必要な水を確保したりできるのでとても頼りになります。
おひさまエコキュート注意点
一般的なエコキュートと異なり、太陽光発電の余剰電力を使ってお湯を沸かせる点や昼間にわき上げるため従来型よりも少ない熱で効率よくお湯を沸かせる点、災害時でも水やお湯を利用できる点など、多くのメリットがあるとわかりました。しかし、注意すべき点もあります。ここからは3つの注意点について解説します。
太陽光発電システムがないと使用できない
おひさまエコキュートは太陽光発電システムとの組み合わせが前提となった機器です。すでに太陽光発電を行っているのであればデメリットとなりませんが、最初から導入するとなると太陽光発電設備も同時に導入しなければならず、初期費用が高くなってしまいます。
本体価格が80〜100万円、発電システムの価格が150万円前後とすれば合計で300万円近くの初期費用がかかりますので、導入するか否か、慎重に検討したほうがよいでしょう。
対応する電力会社のプランが限られる
新しい機器であるため、対応できるお得な電力会社のプランが限られてしまいます。首都圏であれば東京電力が提供する「くらし上手」が該当します。住んでいる地域の電力会社に問い合わせ、お得なプランを扱っているか確認したほうがよいでしょう。
販売メーカーが限定される
販売しているメーカーが少ないのもデメリットの一つです。2022年から販売開始となった機器であるため、全メーカーで対応機種が販売されているわけではありません。そのためラインナップが限られてしまいます。
従来型であれば一般的なタイプに加えて薄型タイプもありますが、おひさまエコキュートに関しては薄型がありません。今後、普及率が高まればラインナップが増え、薄型も登場するかもしれません。
薄型タイプがないことを考えると、スペースの制約がある場合に設置が難しくなる可能性があります。設置前にスペースについてしっかりと確認したほうがよいでしょう。
おひさまエコキュートも「給湯省エネ事業」の対象
経済産業省はヒートポンプ型給湯器や家庭用燃料電池(エネファーム)、ハイブリッド給湯器などの高効率給湯器の普及を図るため、「給湯省エネ事業」を行っています。国が高効率給湯器の普及を図っている理由は、給湯分野のエネルギー消費を削減し、二酸化炭素の排出削減を進めるためです。
おひさまエコキュートも対象となる機器の一つで、1台あたり5万円が補助されます。補助金対象となるのは2025年度の省エネ基準をクリアした機種ですが、おひさまエコキュートは基準をクリアしていなくても補助金交付の対象となります。
補助金の申請期間は2023年3月下旬から予算の上限に達するまでです。2023年7月14日段階で11%ですので、まだまだ申請可能です。申請割合は給湯省エネ事業の公式サイト(https://kyutou-shoene.meti.go.jp/)で随時確認できます。
補助金申請は給湯省エネ事業者として登録している建築事業者や施工業者が行います。施主が自分で申請することはできませんので注意しましょう。交付の大まかな流れは以下のとおりです。
- 売買契約・工事請負契約
- 工事の着手
- 補助金の交付申請
- 交付決定の通知と振込
交付決定通知など、交付に関する書類は5年間保管しなければなりません。
まとめ:おひさまエコキュートの導入ならsky-ecoキュートにお任せ!
今回は最新型の給湯機である「おひさまエコキュート」の特徴やメリット、注意点をまとめました。太陽光発電の余剰電力を使うため、光熱費の削減や二酸化炭素の排出削減、発熱効率の向上などが期待できます。
sky-ecoキュートでは主要メーカーの製品を多数取り扱っています。おひさまエコキュートを筆頭に、様々なエコキュート取り扱っていますので、最適なエコキュートをご紹介することが可能です。
自社施工のため、工事までスピーディに行い、アフターフォローにも万全を尽くしています。
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