エコキュートに関しては兵庫県全体での補助金はありませんが、西脇市や加東市では独自の補助金を設定して普及を図っています。今回は兵庫県の地域特性とエコキュート補助金についてご紹介します。]

兵庫県はどんな県？

兵庫県は近畿地方の西側にあります。人口はおよそ540万人です。大きく北部の日本海側・中央部の高地・南部の瀬戸内海沿岸地域の3地域に区分できます。

日本海側の中心都市は豊岡市や舞鶴市、宮津市です。城崎温泉や天橋立といった観光資源に恵まれています。魚介類が豊富ですが、冬には雪が多く、雪対策が欠かせません。中央部は山林が多く、人口が少ない地域です。気温差が大きく朝晩の寒さが厳しくなりがちです。

瀬戸内海沿岸は気候が温暖で人口が多い地域です。神戸市・尼崎市・西宮市といった大阪市に近い地域は人口が多く、阪神地域の経済圏に組み込まれています。

県庁所在地の神戸は兵庫県の経済の中心です。1995年の阪神淡路大震災では大きな被害をこうむりましたが、着実に復興を遂げてきました。現在は産業・経済の中心、異国情緒あふれる観光地としての魅力を取り戻しています。

兵庫県でエコキュート補助金を交付している市町村

兵庫県で受けられるエコキュート関連の補助金はあるのでしょうか。ここでは、補助金対象となる高効率給湯器や補助金を交付している西脇市、加東市の事例を紹介します。

補助金の対象となる高効率給湯器とは

高効率給湯器とは、文字通り効率よくお湯を沸かせる給湯機のことです。この場合、高効率とは使用するエネルギーが少ないという意味です。主な高効率給湯器は以下の4つです。

• エコキュート
• エコジョーズ
• エコフィール
• ハイブリッド給湯器

エコキュートはヒートポンプ技術を使った電気給湯器です。外部の空気が持つ熱を利用するため、通常の電気給湯器よりも遥かに少ない電力でお湯を沸かせます。効率の良さという点では他の3つの給湯機をしのぎます。

また、使用時に二酸化炭素を排出しないのもエコキュートのメリットです。夜間に割安になる電力プランを契約し、夜にお湯を沸かす設定にすると電気代を安くできます。また、太陽光発電と組み合わせると、昼でも経済的にお湯を沸かせます。

エコジョーズはガスを使った給湯器です。水道水を直接温める瞬間式であるため、貯湯タンクの設置が不要です。そのため、設置場所で苦労することがありません。導入コストが比較的安いのもエコジョーズの魅力です。ただし、二酸化炭素は排出してしまいます。

エコフィールは灯油を燃焼させてお湯を沸かす給湯器です。瞬間式と貯湯タンク式のどちらでも対応できます。従来型の灯油給湯器よりも稼働音が小さく、灯油の使用量を抑えられるというメリットがあります。

ハイブリッド給湯器はエコキュートとエコジョーズの両方の機能を持った給湯器です。いいとこどりをした給湯器ですが、そのぶん、導入コストがかかります。

以上の4つのタイプが補助金の対象となります。このほかに、ガスを燃料として発電するエネファームも補助金対象機種に含まれます。

西脇市の補助金

兵庫県西脇市は播磨地域に属します。市内には加古川・杉原川・野間川の3つの河川が流れ、古くから播州織の産地として栄えてきました。2023年5月段階の人口はおよそ37,000人です。

兵庫県西脇市では「家庭用創エネ省エネ設備」の導入に奨励金を交付しています。交付は現金ではなく「へその街にしわき共通商品券」であるという点に注意が必要です。この商品券は市内約200店舗で利用できる商品券で、1枚1,000円となっています。
受付期間は令和5年（2023年）4月3日～令和6年（2004年）3月29日です。交付の流れは以下のとおりです。

申請書類の提出

• 1. 受付・審査
• 2. 申請設備の現地確認
• 3. 交付の可否を決定
• 4.「交付決定兼通知書」を発送
• 5. 共通商品券を受領

申請書類の提出先は市役所くらし安全部環境課の窓口で、郵送は不可となっています。

書類提出後に市役所で審査され、その後に申請対象設備の現地確認が行われます。書類審査と現地確認の結果を踏まえ、交付の可否が決定されます。交付が認められると、「交付決定兼通知書」が市役所から発送されます。

通知書を受け取ってから2週間以内に共通商品券を受け取ってください。

申請時に西脇市民であること、市税をはじめとする公共料金を滞納していないこと、対象となる設備を設置する人が対象となります。対象となる高効率給湯器と奨励金の上限は以下のとおりです。

高効率給湯器	奨励金の上限
エコキュート	45,000円
エコジョ－ズ	30,000円
エコフィール	30,000円
エネファーム	100,000円

ただし、西脇市外の事業者が設置・販売したときは、上記の上限よりも交付金が少なくなります。

高効率給湯器	奨励金の上限
エコキュート	30,000円
エコジョ－ズ	20,000円
エコフィール	20,000円
エネファーム	65,000円

満額の交付金額を得たいのであれば、西脇市内の事業者から購入し設置する必要があります。

施工販売価格、事業者の信頼性を複合的に考え、事業者を選択すると良いでしょう。

以下の要件を満たすエコキュートが補助金交付の対象となります。

1. 自然冷媒である二酸化炭素を冷媒としてヒートポンプを駆動させ、お湯を提供する家庭用給湯器
2. 目標年度2025年度における省エネ基準達成率 （JIS規格） 105％以上のもの
3. 設置完了日が令和5年4月1日以降のもの

加東市の補助金

兵庫県加東市は播磨地方東部に位置します。先ほどの西脇市の南に位置し、市の西部を加古川が流れます。市内にある佐保神社は北播磨有数の古社で、紀元前76年の創建と伝えられます。

加東市では「加東市エコハウス設備設置補助」の仕組みを設けています。脱炭素社会を実現するため、二酸化炭素排出量の抑制や省エネ・創エネを普及促進するのが目的です。受付期間は令和5年（2023年）7月3日から令和6年（2024年）3月29日までです。

先着順で受付し、予定外に達した段階で受付終了となります。土日祝日、年末年始は申請を受け付けていないので注意しましょう。

対象となるのは以下の条件を満たした人です

• 加東市に住民登録がある
• 全ての世帯員が市税等を滞納していない
• 市が実施するアンケート調査や市の求めるデータ提供（地球温暖化対策事業、電力使用状況調査など）に協力できること
• 自分が住む既築住宅に期間内に対象設備を契約・設置すること
• 公益財団法人ひょうご環境創造協会が実施する「うちエコ診断」を受けること

対象となる高効率給湯器は以下のとおりです。

高効率給湯器	奨励金の上限
エコキュート	30,000円
エコジョ－ズ	30,000円
エコフィール	30,000円
エネファーム	100,000円

対象となるエコキュートはJIS S2075に基づく給湯熱効率94%以上の機種です。

国もエコキュート補助金を交付

2023年、国は高効率給湯器の導入を推進するため、補助金を設定しました。国の補助金交付事業は「給湯省エネ事業」といいます。給湯省エネ事業の概要や対象となる機器、補助金の交付などについて解説します。

給湯省エネ事業の概要

給湯省エネ事業の目的は、家庭の消費エネルギーの効率化・省エネ化を推進することです。

エコキュート・エネファーム・ハイブリッド給湯機が補助金交付の対象で、補助金の総予算は300億円です。設定された予算を使い切ったら受付終了となります。受付状況は国の給湯省エネ事業サイトのトップ画面で申請状況を確認できます。

補助金対象となるエコキュート

補助金対象となるのは以下の条件を満たした機器です。

• 省エネ法上のトップランナー制度の対象機器であること
• 2025年度の目標基準値以上であること

設置しようとしているエコキュートが補助金対象となっているかどうか、あらかじめ設置業者に確認しておきましょう。

補助金額・対象期間・交付日

エコキュートの補助金額は1台あたり5万円です。居住地域に関わらず交付されるので、自治体の補助金がない地域に住んでいる人は、国の補助金を申請するとよいでしょう。

補助金の申請は、原則、エコキュートを設置する事業者が行います。対象期間は2022年11月8日から2023年12月31日までとなっています。交付日は明確に設定されていませんが、申請から1〜3ヶ月が一つの目安となるでしょう。

補助金を上手に利用し、専門店でエコキュートを割安で設置しよう！

今回は兵庫県の自然や地域ごとの特徴、エコキュート補助金などについてまとめました。兵庫県全体の補助金はありませんが、西脇市や加東市では独自の補助金を交付しています。

また、国が高効率給湯器に対する補助金を復活させたことについても話題となっています。前回の補助金交付は2010年だったため、13年ぶりの復活です。こうした補助金を上手に使い、割安に設置できる絶好のチャンスです。

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